※この日米の信頼関係は既にない。外務省Webサイトから転載。
第2次世界大戦終了60周年記念式典にて鳩山首相「最大の敗者」 核安保サミットで米紙
米紙ワシントン・ポストは14日付で、核安全保障サミットで最大の敗者は日
本の鳩山由紀夫首相だと報じた。最大の勝者は約1時間半にわたり首脳会談を
行った中国の胡錦濤国家主席とした。鳩山首相について同紙は、「不運で愚か
な日本の首相」と紹介。
「鳩山首相はオバマ大統領に2度にわたり、米軍普天間飛行場問題で解決を約
束したが、まったくあてにならない」とし、「鳩山さん、あなたは同盟国の首
相ではなかったか。核の傘をお忘れか。その上で、まだトヨタを買えというの
か。鳩山首相を相手にしたのは、胡主席だけだ」と皮肉った。
(産経新聞 2010/04/15)
先日の核安全保障サミットで、鳩山首相に対する米国の評価が赤裸
々になってしまいました。
もともと、多くの国が、公式会談を行っている中で、夕食会の中の
10分程の、非公式会談しか与えられなかったという事自体が、非礼
に近い扱いである訳ですが、その中で、普天間五月決着への「協力」
を求めた説明に対してオバマ大統領は、「きちんと責任をとれるの
か」と確認したと言います。ワシントンポストは、鳩山首相は、一
年に満たない短い在任期間の中で、普天間問題に関しては過去二回
オバマ大統領との約束を反故した為に、その信頼を失っているとし
ています。
鳩山首相の発言は、その時々で主張している内容が変っており、各
所で行った矛盾する約束によって自縄自縛(じじょうじばく)に陥
っています。この様子をワシントンポストは、increasingly loopy
と捻って表現しています。
鳩山首相の言葉に、信頼が置けないというのは、残念ですが、内外
の多くの人々のコンセンサスになっています。戦後、日本の首相が
米国の大統領に、ここまで不信感を与えたのは、本当に初めての事
と思います。
今から、思えば、小泉首相の扱いは、米国の大統領の内懐に飛び込
めたという意味で、戦後日本外交の到達点を示すものであったのか
も知れません。小泉首相の退陣時にブッシュ大統領が、小泉首相の
エルビス・プレスリーの旧宅訪問に同行したのは、本当に例外的な
ものであったと言えます。
それから、三年余りの間に、日本の首相が米国の新聞から嘲笑され
る様になってしまったのは、まさに転落以外の何者でもありません。
鳩山首相は、「日中関係が良くなれば、日米関係も米中関係も良く
なる」と海外誌のインタビューで述べたそうですが、民主党政権に
なって、それ程中国との関係が良好になったとも思えません。確か
に、小沢幹事長が百人以上の議員を引き連れて中国訪問はしました
が、胡錦濤主席と写真を撮っただけで、日中間の懸案事項が解決し
たとはとても言えません。その上、同盟国である米国との信頼関係
を破壊したのでは、どうしようもありません。
悲劇的なのは、どうも鳩山首相は、レトリックではなく、本気で、
日米中等距離外交を狙っていると米国に受け取られている事です。
私は、米国留学経験もある鳩山首相は、本音では、米国との同盟関
係が一番重要と考えていると考えています。しかしながら、民主党
の党首として、自民党政権との違いを強調せざるを得ない事や、連
立政権を組む社民党や、民主党内の反米派に迎合せざるを得ない事
から、ことさらに、アジア重視の姿勢や米国との対等の関係を強調
せざるを得なかったと考えています。そして、それをカバーする為
に、日米首脳会談では、米国にリップサービスを連発したのではな
いかと思うのです。
しかし、会談後は国内の政治情勢もあって米国の期待を裏切らざる
を得なくなったと言う訳です。鳩山首相からすれば、各所のニーズ
に、その都度適切に対応したつもりなのでしょうが、結果的に、全
ての期待を裏切ったとしか言えないのです。
「滅びへの道は善意で舗装されている」と言われる様に、政治の世
界では、全てが結果によってのみ判断されます。今の処、全く結果
を出しておらず、また、結果をだす見込みもない鳩山首相は無能と
いう評価しか得られないという事だと思われます。
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