※写真は、産経新聞Webサイトより転載
普天間問題で協力要請 日米非公式首脳会談で首相
訪米中の鳩山由紀夫首相は12日夜(日本時間13日午前)、オバマ米大統領
との非公式会談に臨み、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾(ぎのわん)市)の
移設問題について日本側の検討状況を説明、5月末までの決着に理解を求める
考えだ。
首相は核安全保障サミットの夕食会でオバマ大統領の隣席に着き、普天間問題
について意見交換。公式会談は普天間問題に対する日本側の検討が進展してい
ないこともあり、見送られた。
首相は、米軍キャンプ・シュワブ(同県名護市)陸上部に600メートル級の
ヘリコプター離着陸帯(ヘリパッド)を造る案や、徳之島(鹿児島県)に移設
する案を軸に米側との調整を進めたい考えだ。ただ、移転先となる地元自治体
では受け入れ反対の動きが強まっており、5月末までの決着は難しい状況にある。
一方、米側はシュワブ沿岸部にV字形滑走路を造る日米合意案(現行案)が最
善との立場を崩していない。ルース駐日米大使は9日に岡田克也外相と会談し
た際、現行案以外の移転を進める実務者協議の開始について「時期尚早」と伝
えていた。
(産経新聞 2010/04/13)
一時は、世界で最も重要な二国間関係と米国の大使が、評価してい
た日米関係でしたが、今や昔日の面影はなくなっています。
残念な事に、今や、オバマ大統領の中では、日米関係の重要性は、
中国はおろか、マレーシア、ウクライナなどよりも重要度の低い関
係になってしまっているようです。
ブッシュ・小泉の親密さは、望めなかったにせよ、本来は、民主党
というリベラル同士、波長があう可能性もあったのに、国内向けに
むやみに反米姿勢を示したのがそもそもの誤りでした。それに加え
て、初顔合わせで「トラストミー」と言った後、ハシゴを外す発言
をして、オバマ大統領の信頼を失った事は、鳩山首相個人の失敗と
言えるでしょう。
欧州各国の首脳の様に、オバマ大統領と会う機会が多く、わざわざ
相手が忙しいサミットで、会談する必要がないというケースもあり
ますが、日本の場合はそうではありません。ご本人は既に忘れてし
まっているかも知れませんが、オバマ大統領が初めて訪日した際に、
アジア重視を示す為に、オバマ大統領の離日を待たずに、自分だけ
さっさとサミットに出発してしまった事もありました。外交関係は、
相互主義が原則です。失礼な事をすれば、それに対するお返しがあ
っても不思議ではありません。鳩山首相の頭の中には、米国に対す
る甘えがあったのではないかと考えざるを得ないのです。
さて、上記の記事には、今回の米国訪問で、鳩山首相は、非公式会
談で、普天間問題に関する大統領の協力を取り付けたいとしている
様ですが、その非公式会談の実態は、核安全保障サミットの夕食会
でオバマ大統領の隣席に座った際の会話の場でしかありません。
しかも、夕食会は、サミットの公式行事で、最初と最後を除けば、
各国首脳のスピーチが行われます。悪く言えば、席についた際に、
一言二言、言葉を交わす以上の事ができるとも思えないのです。
その程度の会話を行っただけで、米国の協力を取り付けたなどと言
える訳もありませんが、もし、帰国後、そんな報告があったとすれ
ば普天間問題に関する議論を大きく誤らせる可能性すらあると懸念
せざるを得ないのです。しかしながら、今までの発言を見る限り、
鳩山首相は、相手の言葉を自分に有利に解釈する名人であり、この
懸念が実現する可能性は高いのではないかと思われてならないのです。
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