中央下の尖った島が南硫黄島。その上の平坦な頂上を持った高まりが福徳岡ノ
場、その更に上の高まりは、北福徳堆(たい)。
海底火山 福徳岡ノ場が噴火 4年半ぶり 南硫黄島沖
3日午前7時45分ごろ、南硫黄島(東京都小笠原村)の北北東約5キロにあ
る海底火山「福徳岡ノ場(ふくとくおかのば)」から白煙が立ち上っているの
を第3管区海上保安本部(横浜市)の巡視船が見つけた。05年7月以来約4
年半ぶりの噴火で、火山活動が活発化している。
3管によると、現場は東京の南約1300キロ。1904年、14年、86年
の3回、海底が隆起して新島を形成したが、いずれも海没した。50年ごろか
ら常に海域が変色しており、昨年12月にも黄緑色に変わったことが確認され
ていた。
(毎日新聞 2010/02/03)
福徳岡ノ場は、日本の海底火山の中でも有数の活発な活動を行って
いる火山です。直径10km、高さ2000mを超える北福徳カルデラの中
央火口丘です。ちなみに南硫黄島は、それ自体は成層火山ですが、
カルデラ縁にできた寄生火山と言える様に思われます。これは福徳
岡の場の北に位置する北福徳堆も同様です。
福徳岡ノ場の活動は活発と書きましたが、火山活動に起因する変色
域の出現は殆ど毎年の事であり、噴火も20世紀に入って以降、7回
起こっています。1904年、1914年、1973年、1974年、1986年、1992
年、2005年の7回で、今回の噴火は8回目と言う事になります。
(1974年以降は、12年+6年の合計18年の噴火サイクルがある様にも見
えます。その噴火サイクルからすれば、今回の噴火は予定より1年
早かったと言えるのかも知れません。)
この内、1904年、1914年、1986年には新島が出現しています。これ
らの新島は、いずれも新硫黄島と命名されています。今回もし、島
が出現しても、同じ名前になるものと思われます。
1914年の際には、一時、高さ300m、周囲11.8kmの堂々たる島に成長
しました。しかし、これは翌々年には消滅しています。一番最近の
1986年の新島も、わずか二ヶ月ほどで消滅しています。
硫黄島の北に位置する西ノ島の1973~74年噴火でもそうでしたが、
火山弾や火山礫が集積しただけの火山島は、太平洋の荒波によって
比較的簡単に侵食されてしまいます。火山島として半永久的に残る
為には、溶岩の噴出でよって、火山礫がしっかりと火山本体に溶着
しなくてはならないのです。
今回の噴火で、新島が出現するかどうかは、五分五分と言った感じ
ですが、新島が島として残る為には、溶岩噴出があるかどうかにか
かっていると言って過言ではない様に思われます。
なお、福徳岡ノ場は、硫黄島の南南東55km、南硫黄島の北北東5kmに
位置しており、完全に我が国の領海内にあります。従って、我が国
にしか領有権がありません。どこかの国が勝手に領有権を主張する
事はありませんのでご心配なく。もっともその分、EEZ(排他的経済
水域)が今以上に広がる事もありません。
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