※写真は、「安重根艦」。中央日報サイトから転載
「安重根艦」、ディーゼル潜水艦では世界最高水準
1日に釜山(プサン)海軍作戦基地で就役式を行う海軍214級潜水艦「安重
根(アン・ジュングン)艦」(1800トン)は、艦長イ・ヨンウン中佐と
40人余りの乗務補助員がすべて「安重根義士崇慕会」の会員だ。 昨年6月
に進水式を行った後、ソウル南山(ナムサン)の安重根義士記念館を訪れ、護
国の決意を固めたのがきっかけになった。 安重根艦の内部に安義士の遺影、
「為国献身」など遺墨が掛けられているのもこうした理由からだ。
イ艦長と乗務補助員らは3月の殉国日と11月の挙事日に合わせて記念館を訪
れるという。 安重根義士崇慕会のアン・ウンモ理事長は「若い乗務補助員が
安義士の志を敬って国防に献身するのを見る度に胸が熱くなる」と述べた。
就役は軍人でいうと実際に戦闘に投入できる能力を備えたと認められる手続き
だ。 安重根艦は進水後1年6カ月間、試験運転した結果、合格判定を受けた。
全長65.3メートル、幅6.3メートルの安重根艦は、水中で300の標的
を同時に処理できる能力を備えている。 最高時速20ノット(37キロ)で、
米ハワイまで燃料の再充填なく往復航海できる。 一つ下の級の209級潜水
艦とは違って空気不要装置(AIP)を搭載しているため、水面に上がらなく
ても2週間にわたり水中で作戦遂行が可能だ。 ディーゼル潜水艦としては世
界最高レベルだ。
安重根艦は孫元一(ソン・ウォンイル)艦、鄭地(チョン・ジ)艦に続く3つ
目の214級潜水艦だ。 安重根義士は独立運動家では初めて海軍の艦艇に名
前が付けられた。 海軍は2012年から2018年にかけて進水する214
級潜水艦6隻に金佐鎭(キム・ジュァジン)・尹奉吉(ユン・ボンギル)・金
九(キム・ク)など独立運動家の名前を付ける予定だ。 柳寛順(ユ・クァン
スン)烈士も候補群に含まれ、女性の名前が付いた海軍艦艇が登場する道が開
かれた。
丁玉根(チョン・オックン)海軍参謀総長は就役祝賀文で「安重根艦の就役で
韓国の海軍はより強力な水中戦力を確保することになり、敵にはさらに恐れら
れる存在になった」とし「将兵が世界最高の潜水艦を作るよう努力してほしい」
と要請した。
◇214級潜水艦=1200トン級の209級潜水艦の長所を生かして独HDW
社が開発した新型ディーゼル潜水艦。 韓国では「孫元一級潜水艦」と呼ばれる。
214級・209級などの名称はHDW社が任意に数字モデル名を付けたもの
で、特別な意味はない。
(中央日報 2009/12/02)
潜水艦に安重根などと言うテロリストの名前をつける韓国海軍の無
神経さに驚く方も多いと思いますが、無名の人民の海に潜んで、要
人を暗殺したテロリストは、潜水艦の名前には意外に相応しいのか
も知れません。
この級の潜水艦については、今までも何回かエントリーに取り上げ
ていますが、現時点で日本を含むアジア全体で考えても、まず確実
に最強と言える潜水艦であると考えます。
HDW製の214級潜水艦は、輸出用潜水艦として大成功を収めた209級
潜水艦の後継艦であり、ドイツ海軍向けの212A級潜水艦の経験を基
に輸出可能な最新の電子機器を装備した艦です。潜水艦の世界市場
でも、フランスDSNS社のスコルピオ級潜水艦を破って採用されてお
り、装備されている機器を含め、輸出用潜水艦としては最強と評価
できます。この点で、国際競争力の全く無い日本の潜水艦と比べ、
性能、価格の両面で遙に高いレベルを達成していると考えられます。
この級の潜水艦で最初に完成したのは、ギリシア海軍向けのもので
したが、クラス最初の艦という事で初期故障が頻発した事と、恐ら
くはギリシア政府の財政上の理由で、結局、この艦はギリシア海軍
に引き渡されておらず、現在、キール港に係留されており、新たな
買い手を捜している状態である様です。ただ、この艦に続いてギリ
シア国内で建造される三隻については、ギリシア海軍も引き取りを
明言していますので、当初問題になっていた各種の問題点は解消し
たと考えて良いと思われます。
その様な事情もあって、現在、この214級潜水艦で就役しているの
は韓国海軍の三隻のみとなっています。韓国海軍では当初三隻を現
代重工に発注しましたが、2008年に六隻の追加建造を決定し、これ
は現代重工の他、大宇造船にも発注しています。
このクラスの潜水艦の特徴は、やはり、燃料電池を用いたAIP機関
という事になります。日本の そうりゅう型潜水艦もスターリング
エンジンによるAIP機関を装備しますが、両者共にAIP機関の合計
出力は300キロワットで同じであり、大きさの割に強力なAIP機関を
214級潜水艦は備えている事になります。また、そうりゅう型が連
続潜航日数二週間と言われているのに対し、214級はシュノーケリ
ングなしの連続潜航日数で三週間、50日の作戦行動が可能と言われ
ています。
また、最大潜航能力は400mと言われており、使用されている鋼材も
HY100高張力鋼で、これは日本のNS110高張力鋼よりも若干劣るもの
の潜航深度に大きく影響を与える程のものではなさそうです。
更に、韓国の214級潜水艦は、非貫通型マストにSPHINX-D Radar
Systemを装備する事で、高出力のパルスレーダーと非常に低出力な
がら高精度のLPIレーダーを組み合わせ、多様なミッションに対応
できるとされています。戦闘情報システムも、実績のあるISUSシリ
ーズの最新型であるISUS-90を装備しています。
最近、中国の空母建造に関する報道が多いのですが、現在の海軍に
おける最強の艦種は潜水艦であり、ジェーン海軍年艦での各国の艦
艇の掲載順番も潜水艦が最初になっています。
その様な観点からすれば、韓国海軍潜水艦隊の急速な近代化と拡張
は日本にとっても、無視できない軍事環境の変化と捉えるべきでは
ないかと考える次第です。
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