2009年12月11日金曜日

小沢氏の"人民解放軍司令官"発言を失言と報じないマスコミ

小沢氏「私は人民解放軍の野戦軍司令官」

民主党の小沢一郎幹事長を名誉団長とする同党訪中団は10日午後、北京に到
着した。小沢氏は同日夕、北京市内の人民大会堂で胡錦涛(こきんとう)中国
国家主席と会談し、日中関係の強化や民主党と中国共産党の政党間交流の促進
を協議した。小沢氏と胡氏の会談は政権交代後は初めて。昨年5月の胡氏来日
時に続き4回目となる。会談は約30分間で、輿石東参院議員会長と山岡賢次
国対委員長が同席した。

訪中団は、民主党国会議員約140人を含む総勢600人超が参加する異例の
訪問団となった。小沢氏のライフワークである日中交流事業の「長城計画」と
民主党と中国共産党の「交流協議機構」の行事を兼ねており、航空機5便に分
かれて北京入りした。小沢氏は到着後、中国側が用意した巨大な黒塗りのリム
ジン車に乗り込むと、添乗員の掲げる旗に従った同行議員らが、チャーターし
たマイクロバスで長い車列をつくって市中心街に向かった。

「140人以上の国会議員が参りまして、(胡氏が)大変お忙しい中、それぞ
れの議員とツーショットを撮っていただき本当にみんな喜んでいます。友好発
展のため、ご理解いただきたい」

冒頭、小沢氏は笑顔でこう語りかけた。会談に先立ち、訪中団は、胡氏ら中国
要人との恒例の記念撮影を行っていた。

胡氏は「小沢氏は中国人民の古くからの友人で、中日関係発展のため数多くの
貢献をしてきた。今日は新しい友人がいっぱい生まれるだろう。それを日中関
係に役立てたい」と語った。

小沢氏は来夏の参院選について、「こちらのお国(中国)にたとえれば、解放
の戦いはまだ済んでいない。来年7月に最後の決戦がある。私は人民解放軍の
野戦軍司令官として頑張っている」と語った。

自民党との戦いに言及した小沢氏は、両国の「最高実力者」同士の顔合わせだ
ったにもかかわらず、東シナ海のガス田問題など懸案をめぐる突っ込んだ議論
は避けた。理由は、「政治的課題を議論しにきたわけではない」(小沢氏)と
いうものだった。

小沢氏は11日に韓国・ソウルへ単独で移動し、12日に李明博(イミョンバ
ク)大統領と非公式夕食会に臨み、13日に帰国する。

自民党の谷垣禎一総裁は10日の会見で「これだけ大勢の国会議員が国を留守
にするというのは異例だ。自民党だったらこういう発想はしない」と語った。

(産経新聞 2009/12/10)


日本の政治家は、海外に出ると訪問国にリップサービスをしたくな
る様で、小沢幹事長もその例外ではありません。過去にも北朝鮮を
訪れた際、恒例のマスゲームを見せられて、「日本もこんな国にし
たい」と述べています。ある意味、それは、本気だった様で、前国
会で、鳩山首相の所信表明演説に対し、民主党議員全員にスタンデ
ィングオーベーションをさせ自民党をして、ヒトラーユーゲントの
様だと言わしめています。

その例からすれば、今回の「人民解放軍の野戦軍司令官として頑張
っている」という言葉も、半ばは、中国の為に、あるいは、中国の
野戦軍司令官になったつもりで、日本の体制を中国の様な独裁制に
導きたいという本音が現れたと言えなくもないのかも知れません。

言わずもがなの説明になりますが、人民解放軍は中国共産党の軍隊
であって、中国という国家の軍隊ではありません。いうなれば、共
産党の私兵に過ぎません。さらに、小沢氏は、民主党幹事長として
自衛隊の最高指揮官である鳩山首相につぐ最高権力者の一人です。
その小沢氏には、自衛隊の最高指揮官としていつでも振る舞える見
識と矜持を求めたいのですが、ご本人は中国共産党の私兵の一司令
官という自己認識しかないとは非常に残念と言わざるをえないのです。

小沢幹事長は、ある意味、鳩山首相以上の独裁的な力を持つ権力者
です。党の運営を牛耳る事で、政府そのものをその権力の下に置く
というやり方は、共産党独裁の手法と相通じるものがあります。与
党の質問を認めなかったり、議員立法を否定するのも同じ文脈と考
えると良く理解できます。その強権的手法は、スターリン的政治家
と言えるかも知れません。共産党以上の共産主義者である日教組代
表身の輿石参議院議員会長が小沢氏に違和感なくべったり張り付い
ているのも、その共産主義的体質が、小沢氏のスターリン的体質と
一致しているからとすれば、納得ができます。

非常に残念な事は、この様な、政治の素人でさえ感じる、小沢氏の
共産党独裁的政治手法や、その指向を匂わせる様な失言に対し、多
くのマスコミが批判的に報道せず、逆に、小沢氏に対し、極めて迎
合的な報道に終始している事です。

日本のマスコミ人は、社会主義的性向を持つこと衆目の一致する処
ですが、独裁主義的権力に対して迎合的であり過ぎる点でも、戦前
戦後を通じて、反省がないと思われてなりません。自民党の様に様
に、民主主義的ルールに従って、権力を制限的に運用しようとする
勢力に対してはマスコミは居丈高に振る舞いますが、小沢氏の様な
独裁的権力者には、擦り寄って利権のおこぼれに預かろうとします。
田中角栄、金丸信両氏の全盛期に如何にマスコミが平身低頭してい
たか覚えている方も多いと思いますが、小沢氏に対して、マスコミ
は自民党幹事長時代に続いて二回目の平身低頭ぶりを示している様
に思います。

この、他のマスコミが批判を避けて通る独裁主義的権力に批判の矢
を投じ続けている一点だけをとっても、産経新聞のリベラリズムの
存在意義と貴重さを感じるのです。


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