2009年6月3日水曜日

今度こそ、弾道ミサイル迎撃演習の本番

※地図は産経新聞サイトからの転載

北、相次ぐ軍事挑発 日本射程のミサイル準備

【ソウル=水沼啓子】北朝鮮が国際社会の非難を無視し、軍事挑発を一段と強
めている。米本土を射程に入れるとみられる大陸間弾道ミサイル(ICBM)
や、日本を射程に入れる中距離ミサイルの発射準備を進めていると相次いで報
じられた。北朝鮮の一連の動きは、後継者問題などを抱える北朝鮮の内部事情
によるものとの見方が強い。

韓国の通信社、聯合ニュースは2日、北朝鮮が日本海側にある南東部の江原道
(カンウオンド)旗対嶺(キテリヨン)で、中距離ミサイル発射準備をしてい
ると伝えた。韓国軍合同参謀本部をこの日訪問した国会国防委員会の所属議員
らに対し、軍当局が明らかにした。

聯合ニュースは1日には、北朝鮮が発射準備を進めている長距離弾道ミサイル
が、北西部の平安北道(ピョンアンプクド)東倉里(トンチャンリ)に新しく
建設された発射施設に到着し、組立施設に搬入されたとみられると報道。韓国
の政府筋が「東倉里に移動したICBMは覆いをされたまま組立棟と推定され
る施設に移送されたようだ」と明らかにしたという。

北朝鮮が旗対嶺で発射準備をしているという中距離ミサイルは、射程1300
キロのノドン・ミサイルと推定されるが、2007年から実戦配備された射程
3000キロ以上の新型中距離ミサイルの可能性もある。

聯合ニュースによると、北朝鮮が東倉里で発射準備をしている長距離弾道ミサ
イルと中距離ミサイルを「同時多発的に発射する可能性もある」という。

北朝鮮は06年7月に、舞水端里(ムスダンリ)から長距離弾道ミサイル「テ
ポドン2号」を発射した際、旗対嶺からノドン・ミサイルなど計6発を相次い
で発射している。

韓国・世宗研究所の李相賢首席研究委員は「金正日総書記の後継体制固めのた
めにも軍事強化が必要で、核保有国として米国などに認めさせるには、核(弾
頭)とICBMはセットで開発を進めなければならない。短・中距離ミサイル
の発射は韓国や日本に脅威を与えるのが目的だ」と分析している。

(産経新聞 2009/6/02)


4月の北朝鮮による長距離ミサイル実験は、事前に人工衛星打ち上
げという発表や、第一段や第二段の落下予定場所の発表もあったの
で、発射時間こそ判らなかったものの比較的探知、追跡は容易であ
ったと思われます。日本を飛び越える事もほぼ確実であり、何らか
の事故が発生した場合のみ、日本の領土、領海に落下すると見込ま
れていました。

今回は、現在までに判明している処では、米国向けのテポドン2型
弾道ミサイルに加え、日本向けの弾道ミサイルであるノドンも発射
準備に入っているようです。北朝鮮が日本を攻撃する時に、実際に
使われる事になるミサイルです。

かと言って、実際に日本を攻撃するつもりはどうもなさそうです。
あくまで外交交渉で有利な立場を得る為のミサイル実験に過ぎませ
ん。何故なら、本当にミサイル攻撃を行うのであれば、ここまであ
からさまな発射準備を行わないであろうからです。

そうであれば、これは、日米両国にとっては、願ってもないミサイ
ル防衛実戦演習の機会に他なりません。
前回の長距離ミサイル実験とは異なり、今回は、実戦でも日本向け
に使われるものでミサイルが使用される他、米国向けの弾道ミサイ
ルとの連続発射の可能性があります。着弾位置も日本の領土、領海
に非常に近い位置に設定される筈です。連続したミサイル発射に対
して、迎撃するか、しないか的確な判断が求められると同時に、迎
撃した場合には、何故迎撃したかに関して説明も求められます。

そういった諸点を含め、自衛隊のみならず、防衛省本省や、外務省、
総理大臣官房、米国との連携まで含めた、まさにミサイル防衛に関
する総合的な実戦演習の機会である様に思われるのです。


4月のミサイル発射でも、自衛隊は得がたい経験を得られたと思い
ますが、今回は、ミサイル迎撃を実際に行うかどうかは別にしても、
前回の轍を踏まえ、より実戦に近い状況での対応を正確に実施し、
更にそれをより高度なものに発展させて貰い、国民の安全と安心を
高めて欲しいものだと思います。


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