2009年3月16日月曜日

ソマリア海賊対策 日本は黒子に徹して、商船保護の実をあげよ


※写真は、47newsサイトからの転載
艦番号106が「さみだれ」113ガ「さざなみ」主砲のサイズが異なる点に注意

周瑜と諸葛亮? 海自派遣めぐり中国反応

海上自衛隊の護衛艦2隻が14日、日本関係の船舶を海賊から守るためにソマ
リア海域に向かったことを受け、中国のネットに「軍国主義の復活を警戒せよ」
といった反応が殺到した。一方、「この派遣は中国への対抗意識から行われた」
と分析する国際政治学者も多く、「中日両国の海軍が世界の海で競合する時代
の幕開けを意味する」といった見方もある。

15日付の中国各紙は、護衛艦が出港したことを伝えたほか、日本国内の学者
や野党などの反対意見を多く取り上げ、「日本の国内外で自衛隊の海外派遣の
制限緩和につながると心配する声が少なくない」などと伝えた。

中国メディアはこれまで自衛隊の海外派遣に神経をとがらせてきた。しかし昨
年12月、中国海軍がソマリアに向かった際に、新聞とテレビは「責任ある大
国として当然の行為」「世界平和に対する義務」などとその必要性を宣伝した
ため、今回、同じ行動をとる日本に対し、公式メディアは批判的コメントをし
づらいようで、日本を批判したり、警戒を表明したりする論評は少ない。北京
紙、北京晨報は「日本の憲法は海外に軍事力を派遣することを禁じているが、
1990年以後それが徐々に緩和された」と淡々と伝えた。

北京大学国際関係学院の梁雲翔(りょううんしょう)助教授は「日本は国際協
力という錦の旗の下、大国としての地位を守ろうとしている。自衛隊の海上で
の軍事力は決して弱くなく、今回のソマリアへの派遣は中国と競争する意味が
含まれている」との見方を示した。軍事問題専門家の戴旭(だいきょく)氏は
広州日報で、三国志の中で周瑜(しゅうゆ)が諸葛孔明(しょかつこうめい)
(名は亮(りょう))に対抗心を燃やしていたことを指す言葉「瑜亮情結」を
使って日本の気持ちを分析している。

一方、中国の各軍事系ネットには、ソマリアで展開する中国の軍艦と今回派遣
された海自の護衛艦の写真がはられ、「戦ったら、どちらが強いか」について
熱い議論が戦わされている。

(産経新聞 2009/3/15)


随分と時間がかかりましたが、海上自衛隊のソマリア派遣部隊が漸
く14日に、出発しました。13日には韓国の派遣部隊「青海部隊」
も出発しましたので、三週間後には、ソマリア沖で、日中韓の東北
アジア三国の派遣部隊が勢ぞろいする事になります。

上記の記事によると、中国では早速、日中の派遣部隊の戦闘力を比
較したり日本の派遣意図を忖度する議論が喧しい様ですが、何れも
本質を外しています。

今回の派遣の本質は、当然の事ながら、ソマリアの海賊から商船を
保護する事しかありません。海自の派遣部隊は、中国や韓国等他国
の部隊と共同行動により商船保護の実を挙げるべきであると思われ
ます。

残念ながら、現時点では日本は、正当防衛でなければ、武器を使用
できず、海賊が逃走中の場合にも、武器使用に制約があります。勿
論、こんな馬鹿げた制約は、中国、韓国を始め他国の部隊にはあり
ません。

その一方で、今回派遣された日本の二隻の護衛艦は、高性能の対潜
ヘリコプターを各々二機搭載するなど、他国と比べても、非常に強
力な哨戒、索敵能力を保有しています。

これらを考え合わせると、日本は、哨戒、索敵行動という言わば、
黒子に徹して、海賊を追い詰めた上で、華々しい実力行使は、日本
の様な制約のない他国の部隊に任せる事が合理的と考えられるので
す。

例え、日本の部隊の活動が目立たないものであっても、行動に法的
制約がある以上、それを甘受し、与えられた条件の下で商船保護の
実をあげるべきであろうと考える次第です。


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