2010年9月30日木曜日

中国の月探査機「嫦娥2号」10月1日打ち上げへ

※CGはsorae.jpから転載

中国の月周回衛星・嫦娥2号、10月1日打ち上げか

27日の中国紙、南方日報(電子版)によると、中国の月周回衛星「嫦娥2号」
のプロジェクト関係者は、嫦娥2号が10月1日に打ち上げられる可能性が高
いとの見通しを明らかにした。

10月1日は中国の建国記念日に当たる国慶節で、同日に打ち上げることで国
威発揚の効果を高める狙いがあるとみられる。四川省の西昌衛星発射センター
で行われている嫦娥2号の打ち上げ準備はほぼ整ったという。

中国は2007年10月、初めて月探査を目的とした月周回衛星「嫦娥1号」
を打ち上げた。2号は1号よりも月に近づいて周回し、月面の撮影を行う予定。

(産経新聞 2010/09/27)


三年前に日中は相前後して月探査機を打ち上げました。「かぐや」
と「嫦娥1号」です。

日本の月探査機の方が高度で多彩な調査を行いましたが、残念なが
ら単発で後続の予定はありません。一方、中国は、前回は写真撮影
が中心の比較的簡素な探査に留まりましたが、今回は前回に比べ着
実に進歩した観測を予定しています。また、中国は、2013年に月面
ローバーを「嫦娥3号」に搭載して打ち上げ、月面軟着陸を目指す
事を予定しています。その為、今回の「嫦娥2号」では、より低高
度を周回する事で着陸候補地の詳細な写真撮影や3D写真撮影を行
うと共に、月面に向けて衝突体を発射し、月の土壌も探査する予定
です。

この様に探査機をシリーズ化して計画的に打ち上げる事は、探査機
を開発し打ち上げるノウハウを蓄積する上で極めて有効です。日本
の場合は、極端に言えば科学衛星は、宇宙開発が目的ではなく、科
学者が論文を書くために打ち上げている面があります。その為、継
続的な観察が必要な地球観測衛星や天文台衛星は、シリーズ化され
ているものの、月惑星探査機は、単発ものとなっています。
その僅かな例外が、「はやぶさ」ですが、これも、確たる国家的な方
針がある訳ではなくどこまでシリーズ化できるか疑問なしとしません。

その点、中国は、国策として長期的な探査機打ち上げ計画が策定さ
れており、着実に探査スキルを改善する事が計画されています。
そして、その点で日本にはない継続性と一貫性が見て取れる様に思
われます。
中国に探査機や打ち上げロケットが日本に比べ安価であるという利
点があるのは勿論ですが、それ以前に宇宙政策レベルでも日本に比
べ遥かに合理的に宇宙開発を進めているように思われてなりません。


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