現在、一部のいわゆる軍事マニアはやはり10年前の視線で中国を見ており、と
くに日本との比較では自らを低く評価しているが、実際、中国と日本の軍事技
術面での格差は、想像するほどではない。人民網軍事コラムが伝えた。
一、航空宇宙技術
中日はいずれもすでに自身の第3世代戦闘機を生産している。日本はF-2、中
国はJ10とJ11。研究・開発と模造を通して、中国は第3世代戦闘機の設計・生
産技術を完全に掌握すると同時に、第4世代戦闘機の研究・製造能力をも備え
た。一方、日本はある技術で世界の先進的地位にあるものの、第3世代戦闘機
の設計・生産技術はまだ完全には掌握しておらず、日本はいかなる新しい戦闘
機であれ、やはり米国に依存しなければならない。次に、具体的な技術上の分
析を通して、中日両国の格差は一体どれほどなのか見ることにする。
第1は、空気動力の設計だ。中国はすでに先進戦闘機の空気動力設計の問題は
基本的に解決している。数多くの型を設計することで、経験を備えた航空エン
ジニアと設計士を育成。日本はエンジニアリングの設計では経験不足であり、
F-2の外型の設計はF-16を模倣しており、同時に大量の設計は米国に依存して
いる。従って、現在のところ日本はまだ、先進空気動力外型では独立した設計
能力は有していない。
第2は、構造と素材だ。両国のレベルは大体相当する。設計ではすでに既成の
設計ソフトがあり、コンピューターを使用した機体の3次元デジタル設計で、
中国はすでに日本を先行している。日本の複合素材技術は比較的先進的であり、
機翼複合素材一体高温固体化技術で世界をリードしている。だが、この技術は
まだ成熟しておらず、製造された翼に亀裂が生じたことがある。中国はロシア
の最先端のチタン合金加工技術を導入、同時に中国の複合素材技術もすでに比
較的成熟しており、先進戦闘機の素材技術は完全に掌握していると言える。
第3は、電子システムだ。日本の航空機搭載のアクティブ・フェイズド・アレイ・
レーダー(APAR)は世界の先端を行く。中国はこの分野で差を付けられている
が、一体化電子システムの設計と整合性の面では差はない。中国はデジタル電
送技術を掌握しているが、日本はまだ掌握していない。
第4は、動力システムだ。中国は先進的なターボファンエンジンを自力で設計・
製造できるが、日本は相応する能力は持たない。
上述の分析から、中国の優位性は完ぺきな航空工業システムを備え、システム
の整合能力も強いということが分かる。一方、日本は基礎工業力が厚く、とく
に電子工業の基礎が厚いことで航空電子の面で優位性を持つ。だが、日本のソ
フト設計技術は中国より遅れており、航空機を自力開発する能力はない。
航空技術上、日本のH2ロケットは中国が現在使用している長征ロケットより先
進的である。だが、中国はロケットの信頼性と宇宙観測・制御、有人飛行で日
本をリードしている。日本は衛星技術で優位性があり、この面で日本の電子工
業の基礎は厚く、一方、中国は西側の技術的制限を受けている。だが、中国の
衛星の応用は日本よりずっと幅広い。総体的に言えば、中国は日本をややリー
ドしている。中国は新世代のロケットに成功すれば、全面的に日本を追い抜こ
すことになるだろう。
二、海上面の技術
日本の最先端の金剛級を中国の170艦と比較してみる。(注:170艦とは旅洋
(LU-YANG)II型を指す)確かな情報によると、170艦が使用するのは航空機搭載
のAPAR。一方、金剛級が使用するのは米国のパッシブ・フェイズド・アレイ・
レーダー(PPAR)だ。ミサイル技術上、170艦は自動主導防空ミサイルを使用し
ており、金剛級は半主動制御ミサイルである。対艦ミサイルの格差はより顕著
であり、170艦はすでに世界の先端レベルに達している。中国は現在、世界先
進レベルの戦艦を完全に自力で製造することができる。一方、日本は作戦シス
テムや艦船用主要機体の面でまだ米国に依存しなければならない。もちろん、
金剛級の優位性はミサイル搭載数で170艦を遥かに上回っていることであり、
対潜能力でも中国より優れている。
潜水艦では、中国は専用のディーゼルエンジンはまだ輸入に頼らなければなら
ない。国産ディーゼルエンジンは騒音が大きく、比較効率も低い。日本の技術
は進んでいるが、中国が使用するドイツ製ディーゼルエンジンに比べ技術上の
優位性はない。中国はAIP技術で世界をリードしており、燃料電池の技術でも
世界の先端にある。一方、日本はこの技術は有していない。潜水艦の素材で中
国はすでに世界の先進レベルにあり、騒音制御でも中国は日本に遅れておらず、
ただソナー(水中音波探知器)でやや差がある。フランスやロシアの技術を導
入して以降、この差はやや縮小した。
このほか、中国は2世代の原子力潜水艦を有しているが、日本はない。
以上の分析から、中国は海軍の技術ですでに日本を追い越したようだ。だが過
去、長期にわたり遅れを取り、また債務が過多であることから、中国海軍はそ
の実力でまだ日本に追いついてはいない。中日の海上面での技術の格差は同様
に、中国は完ぺきかつ全面的な軍事工業システムを備え、軍事装備の設計・製
造を自力で完成させることができる。一方、日本は基礎工業力が厚く、ディー
ゼルエンジンやその他の電子技術面でリードしている。だが、米国の一部の技
術サポートに依存しなければ、近代的な軍艦を完ぺきに製造することはできず、
海上での戦闘力をつけることはできない。
三、陸上面の装備・技術
主戦用タンクを例にすれば、大砲や装甲技術で中国は先端を行く。日本は高圧
力大砲を生産する技術は有しておらず、ドイツが生産を許可するタンク砲を導
入するしかない。だが中国はこの面で完全に自主技術を有しており、それはド
イツの技術に匹敵する。日本の優位性は動力システムにあるものの、仮に中国
が1100キロワットエンジンで難関を突破した場合、この分野でも日本に追いつ
くことになる。
四、電子情報技術
日本は世界で電子技術の最も発達した国であり、その基礎工業力は極めて厚い。
これが軍事用の先進的な電子技術をもたらした。だが、日本のハードウエアは
先進的であっても、ソフトウエアは遅れており、かなりの程度、米国に依存し
ている。日本の電子エンジニアのレベルは一般的である。
中国の電子工業の基礎は遅れており、一部の軍用電子デバイスは生産できない、
または低品質、または価格が高すぎることが、軍事電子技術の発展に影響を及
ぼしており、同時に陸海空軍と衛星の電子システムのレベルにも影響を与えて
いる。だが、この数年の間にこうした状況は根本的に変わった。
(中国網日本語版(チャイナネット) 2010/09/14)
上の記事は中国網日本語版の記事です。中国網(チャイナネット)は、
中華人民共和国・国務院直属の中国外文出版発行事業局が管理・運
営するニュースサイトという事になっています。中国では、マスコ
ミは共産党の口舌という事になっていますので、中国国務院は、人
民に、日本の軍事技術について、この様に知って欲しいと思ってい
る事になります。
中国が本当に日本の軍事関連技術をこう評価しているのであれば、
我々は、日本人として少し胸を撫で下ろせるのかも知れません。技
術を正確に評価できる敵とそうでない敵どちらが好ましいかと言え
ば、後者の方が組みやすいと言えるからです。
ただ、中国の軍事専門家に技術評価ができない訳はなく、今回の記
事は、この処、尖閣列島での中国漁船拿捕問題で反日姿勢を強めて
いる中国の世論に迎合した中国政府の「日本恐れるに足らず」キャ
ンペーンの一環と評価すべきではないかと思われます。
評価軸も、自国が導入した外国製兵器については中国の技術として
いるのに対し、日本がライセンス生産や輸入している技術について
は、日本の技術としては評価しておらず、その点で典型的なダブル
スタンダードとなっています。
従って、一部で、首肯できる項目もありますが、全体としては、意
味のある技術比較になっていない様に思われます。
ただ、中国の人民一般には、今後、日本の軍事関連技術を軽視する
見方が広がると考えるべきであると思われます。
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