2010年8月19日木曜日

中国、初の宇宙ステーションを2011年に打ち上げ

※CGは新華網Webサイトから転載

天宮1号と神舟8号、2011年打ち上げ

中国有人宇宙飛行プロジェクトは8月17日、中国宇宙ステーションの実験第1号
機「天宮1号」と「神舟8号」を2011年内に打ち上げると発表した。

発表によると、「天宮1号」の組立て作業は既に完了し、現在、性能を確かめ
る総合試験などを実施しているという。「天宮1号」は中国初のドッキング目
標機で、重さ約8.5トン。実験装置室と物資保管室から構成され、ドッキング
ポートを1つ装備している。

一方、「神舟8号」の組立て作業も順調に進められており、組立ての後に試験
も行われる。「神舟8号」は無人で打ち上げられる予定で、「天宮1号」と共に、
中国初のドッキング試験を行う。

中国は現在、独自の宇宙ステーション計画を進めており、2011年に「天宮1号」
を打ち上げた後、2015年までに「天宮2号」と「天宮3号」を打ち上げ、最終的
に2020年までに中国初の宇宙ステーション「天宮」を完成させる計画となって
いる。

(sorae.jp 2010/08/18)


中国の有人宇宙計画は着々と進行している様子です。中国が来年宇
宙ステーションの原型となる天宮一号を打ち上げる予定である事は
今年5月に、報じられていますが、今回、より詳しい内容が、中国
国営新華社通信から報じられました。内容は上記の記事の通りです。

Spaceflight.comの記事からの情報や新華網からの情報を補足する
と、天宮1号は、来年、長征2号Fロケットで打ち上げられる事に
なっているようです。ロケットの方も製造が終わりテスト中である
とされています。天宮1号は、来年打ち上げられ、後から打ち上げ
られる神舟8号と無人ドッキング実験が行った上で、2012年には、
今度は有人の神舟宇宙機とのドッキング試験が二回予定されていま
す。その間、天宮1号での宇宙飛行士の短期滞在も予定されている
ようです。

天宮1号は、重量約8.5トンですから、340トンの国際宇宙ステーシ
ョンと比べれば、比べ物になりませんが、ソ連が打ち上げた世界初
の宇宙ステーションであるサリュートが10トン強であった事を見る
と第一世代の宇宙ステーション(宇宙実験室と言った方が良いのか
もしれません)は、この程度の大きさが適当と言えるのかも知れま
せん。ちなみにソ連のサリュートには、平和目的のものと軍事目的
のものがあったそうですが、中国の有人宇宙計画は、人民解放軍に
よって推進されており、宇宙ステーションの軍事利用は当然、考え
られていると思われます。

なお、中国は、2003年以降三回の有人宇宙機「神舟」を打ち上げお
り、これによって、独自の宇宙機で宇宙飛行士を打ち上げた三番目
の国になりました。一番最近の打ち上げは2008年の神舟7号で、こ
の時には、中国初の宇宙遊泳に成功しています。

中国は、有人宇宙機の打ち上げ以外にも、今年は10月に二回目の月
探査機打ち上げが予定されている他、北斗衛星測位システムの建設
や、偵察衛星の打ち上げが継続されています。

日本が高度な探査機と実用衛星の打ち上げに傾斜しているとすれば、
中国は、衛星の機能は比較的単純ながら、確実な打ち上げと、各種
長期計画の着実な推進を図っていると言える様に思います。


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