2010年8月2日月曜日

前原国交相は、総理の器にあらず

「批判は受ける」両院議員総会欠席し、海老蔵披露宴出席の前原国交相

前原誠司国土交通相は30日午前の記者会見で、29日に行われた歌舞伎俳優
の市川海老蔵さんとフリーキャスターの小林麻央さんの結婚披露宴に出席する
ため、参院選を総括する民主党の両院議員総会を欠席したことについて、「両
院議員総会が決まる前に結婚式の招待状をいただいた。鏡開きをさせていただ
くという話もあり、当初から決まっていた予定を優先させた」と説明した。

さらに「冠婚葬祭は人生で極めて大事なセレモニーだ。社会通念として、どち
らを優先させるのかということを、政治家は判断をする」と述べた。ただ、政
務に優先させたことへの批判に対しては「批判は甘んじて受ける」とした。
披露宴には、政界から前原氏のほか、森喜朗、小泉純一郎両元首相も出席して
いた。

(産経新聞 2010/7/30)


前原氏、両院総会さぼって海老蔵披露宴 
「冠婚葬祭は極めて大事!」 「軽さ」に冷たい視線


前原誠司国土交通相が、29日の民主党両院議員総会を欠席し、歌舞伎俳優の
市川海老蔵さんとフリーアナウンサーの小林麻央さんの結婚披露宴に出席して
いたことが分かった。

前原氏は30日の記者会見で「冠婚葬祭は極めて大事なセレモニーだ。両院総
会が決まる前に招待状をもらっており、鏡開きをする話もあって優先した」と
釈明。「社会通念上どちらを優先するのかを政治家は判断する。批判は甘んじ
て受ける」と開き直った。

だが、両院議員総会は先の参院選大敗を総括する重要な場だった。前原氏は菅
直人内閣の主要メンバーである上、党代表の経験もあるだけに、参院からは
「参院選で多くの仲間が討ち死にした。その総括の場を欠席する前原氏の『軽
さ』にはがっかりだ」(若手)と冷ややかな声も…。

(産経新聞 2010/7/31)



「批判は甘んじて受ける」という事なので、遠慮なく批判させて頂
きます。

そもそも、この「批判は甘んじて受ける」という言葉使いそのもの
が問題です。

「批判は甘んじて受ける」の意味ですが、これは、今は批判がある
が、時が来れば当方の言い分も分かってもらえるだろうと不満だが
我慢して批判を受け入れるという事です。

しかしながら、前原氏の「鏡開き 云々」の言い訳では、両院議員
総会を欠席して、芸能人の結婚式に出席した理由になっていません
し、時間がたっても「社会通念上」前原氏の行動を受け入れる人は
多くないと言わざるを得ません。

論点はいくつかありますが、致命的なのは、物事の重要性の判断が
ついていないという事です。前原氏は、敗北した参議院選挙を総括
する両院議員総会よりも、芸能人の結婚式への出席を重要と判断し
ていますが、こういう考えをする人は、多くはないでしょう。

日本は政党政治を政治の基本的な原理としています。前原氏は、今
更いうまでもありませんが、与党民主党の元代表であり、約30名
の前原グループ(凌雲会)の長の地位にあり、その御陰で、民主党政
権が始まって以降、国土交通大臣の要職を占めています。

さて、今回、前原氏が欠席した両院議員総会ですが、政党によって
も異なりますが、通常は、党大会に次ぐ位置づけの会議であり、国
会活動に関する事項を決定するための最高意思決定機関として機能
しています。勿論、民主党でも、その様に機能しています。

特に、今回の両院議員総会では、先の参議院選挙で民主党が敗北し
た理由を総括し、民主党の党勢を回復させる契機とすべき重要な会
議であったと報じられています。

それに対して、結婚式への参加は、前原氏が結婚するご両人とどの
様な親密な関係があるのか不明ですが、両院議員総会の公共性に比
べれば個人的な私的イベントに過ぎません。また、今回の結婚式は
11時間も続いたと報じられており、どうしても出席しなければな
らなかったとしても、ごく短時間出席するという判断もありえたよ
うに思われます。

前原氏は、党執行部には入っていませんが、前代表であり、且つ、
大臣の重職を担っている民主党幹部の一員です。百歩譲って、執行
部入りしていなかったので、今回の選挙で反省すべき立場でなかっ
たとしても、民主党再生に力をつくすべき人物である筈で、会議を
欠席するなどもっての他と言えます。民主党では、もう一つの一大
派閥の長である小沢氏もこの両院議員総会を欠席しており、国民に
党としてのガバナビリティに疑いを抱かせる要素にもなっています。

常識的に考えれば、党再生を議論する両院議員総会は、重要な会議
であり、また、マスコミもその様に報道していますが、前原氏や小
沢氏の行動を見る限り、少なくとも今回の両院議員総会は、民主党
の複数の派閥の長が欠席しても差し支えないと考える程度の茶番劇、
あるいは、実は、あまり意味のない会議だったのかも知れません。
だから、前原氏は、そういう事情を知らない人の批判は「甘んじて
受ける」と言ったのかも知れません。ただ、そうだとしても、それ
を赤裸々に表面化させる必要がなかった訳であり、そういう点が理
解できないのであれば、それは、それで、前原氏の資質に問題があ
ることを示すものである様に思うのです。


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