尖閣問題:中国の掲示板が“炎上”―日本の巡視船配備で
中国新聞社が主催する掲示板「中新網社区」は12日、尖閣諸島問題で日中両国
が「衝突する可能性が増大。君の見方は」と題するアンケートを掲載した。
武力行使を支持する回答が圧倒的に多い。
同アンケートは、日本の海上保安庁が尖閣諸島周辺にヘリコプター搭載の巡視
船の常置配備したことをきっかけに掲載された。4つの選択肢から1つを選ぶ方
式だ。一般ユーザーが作成して投稿、中国新聞社が審査した上で掲載した。
午前11時55分現在、回答数が最も多い選択肢は「うれしい。日本は我々が(尖
閣諸島を)取り戻す理由を作ってくれた。前から、うずうずしていた」と、武
力行使を支持するもので、投票率は65.40%。第2位も「武力行使は恐れない。
小日本も、“膨張”を選ぶタイミングではないだろう。理解に苦しむ」で
27.47%。また、「日本は虚勢を張っている。実力が一切を決める。見ていよう」
は3.17%。武力行使を容認または求める意見は合計で96.04%にのぼった。
「小日本」は日本の蔑称。
一方、「隣国とは“和をもって貴しとなす”。経済発展が重要であり、外交で
解決しよう」と、平和的解決を求める意見は4.07%だった。
同アンケートに寄せられた書き込みでは「小日本を打ち負かせ 東京まで追い
返せ」、「交渉に必要はなし。必要な時には剣を抜く」など、尖閣諸島が中国
領であることを「前提」に、武力行使を支持する声が並ぶなどで“炎上”。
中には「和を尊ぶ中国人と、暴虐な日本の武士道とは両立できない。この暴虐
が世界に向かって拡張するとき、残された手段は原子爆弾しかない」との極端
な主張もある。(編集担当:如月隼人)
(サーチナ 2009/02/12)
経済的に計算すれば、両国にとって、尖閣列島問題はあまり大きな
問題ではありません。それを鄧小平が日中平和友好条約の交渉過程
で取り上げたのは、米国の石油会社が尖閣諸島に石油が埋蔵されて
いる可能性を指摘していたからでした。現在では尖閣諸島付近では、
少量の天然ガスと中規模のメタンハイドレードが確認されています
が、石油の埋蔵は今も確認されていません。メタンハイドレードに
ついては確かに次世代のエネルギー源ですが、今の処、採掘方法が
確立していない将来の資源に過ぎません。その点から言えば、鄧小
平は、ありもしない石油に目がくらんで、尖閣問題を未解決問題に
するという重大な誤りを犯したと言えます。
その点、日中貿易は中国に数兆円のハードカレンシーを経常的に齎
す金の鵞鳥です。いまや、日本からの中間材料や部品なくして中国
の製品輸出は成り立たなくなっています。中国の糞青は、ナショナ
リズムに酔っ払ってますから、「小日本」に対する軍事的制裁(そ
う言えば、ベトナムに対する懲罰なんてのもありましたが)を叫ん
でますが、日本との間が決定的に悪化した場合に困るのは中国なの
です。勿論、中国内では、尖閣領有に関する中国に不利な事実は知
らされている訳もありませんし、糞青ですから、現実の経済的な相
互依存関係にも無関心です。
日本を中国のナショナリズムのサンドバックにした江沢民の、馬鹿
な政策は、鄧小平の誤りを更に上塗りしたものであり、その前提は、
日本が決して中国を叩き返す事はないというものでした。
しかしながら、中国が尖閣諸島で、軍事力を行使し、巡視船を攻撃
したり、核恫喝を行えば、中国は半覚醒状態の日本のナショナリズ
ムに火をつける事になります。その上、その様な行為は、当然なが
ら日米安全保障条約の発動を連鎖する事になり、中国にとって、極
めて不利益な展開となる事は、中国の為政者にすら明々白々たる事
実であり、それによって日本が軍事力を強化する事は、中国にとっ
て、正しく悪夢に他なりません。
中国が、それを理解しているとすれば、中国の取る政策は大きく分
けて二つあります。一つは日米離反策です。日米安保条約がなくな
れば、日本を中国が攻撃したとしても、日米共同の反撃はありませ
ん。米国と日本が離別した段階で、中国は日本を影響下に治める事
ができ、尖閣問題を中国に有利に解決する事ができます。
もう一つは、中国側の世論の沈静化です。江沢民の政策は、中国共
産党支配を正当化するものでしたが、それが、過度に、中国ナショ
ナリズムを刺激する事は、中国にとっても両刃の剣になってしまい
ます。過去の日中関係は勿論、単純な日本の中国侵略ではありませ
んから、中国に対する日本の貢献を指摘する事はいくらでもできま
す。それを使ってナショナリズムを反日ではなく、克日に指導する
事で、ナショナリズムの変化を期待するというものです。
私は、胡錦濤は、現時点で、この両面を狙っているのではないかと、
想像しています。中国のマスコミは、党の口舌であり、自由なジャ
ーナリズムなど、どこにもありません。その点からすれば、今回の
記事に続いてどの様な論評が出るかで、中国共産党の本音が見えて
くるのではないかと思えるのです。
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