2010年7月21日水曜日

今後の政権運営の枠組み

※は首相官邸Webページから転載

Yahooの「みんなの政治」というボーティングサイトでやっている
政治投票で、興味深いテーマがありましたので、少し考えて見る事
にします。

投票の設問は、
参院選の結果、国会は再び「ねじれ」状態に。民主政権は困難な政
権運営が求められることになりましたが、今後の政権運営・枠組み
として、あなたが望むのは?

というもので、以下の中から選択する様になっています。

①各党との政策ごとの部分連合
②みんなの党の連立入り
③公明党の連立入り
④みんなの党、公明党ともに連立入り
⑤自民党との大連立
⑥その他の政党の連立入り
⑦政界再編による新たな枠組み
⑧その他


私が参院選の投票を行った時、何を考えて投票をしたかと問われれ
ば、まず、「ねじれ」を発生させる事で、民主党の暴走を阻止しよ
うと考えた言えます。その上で民主党以外で最も死票にならない投
票を心がけました。結果的には、選挙区選挙では、投票した野党候
補者はトップ当選し、比例区で、投票した人は落選しましたが、政
党の比例区得票には役立った筈です。その点では意図通りになりま
した。

その一方、上記の設問の中に、私の希望する枠組みがあるかと言え
ば、明確にこれというものがあるとは言えません。私が想定してい
たのは衆参ねじれ状態の中で、民主党と国民新党の連立の枠組みが
そのまま維持され、憲法上、衆院優位が確立されている予算案、首
相選出等以外の法案は、成立しないといういうものです。私は政治
的混乱を選択した事になります。

ですがこの選択は上記の中にはありません。(しいて言えば、その
他になるのかも知れません。)また、この設問を作った人も、法案
が成立しない混乱が継続するという選択を明記していません。

その意味では、基本的に政権が法案を成立できる枠組みとして考え
られる選択が与えられている様に思います。
逆に言えば、正常に政権運営を行おうとすれば、これらの選択を実
現する他ない事になります。

では、その実現性はどうでしょうか?
①の部分連合は、野党にとってあまり旨味がありません。余程、野
党内で意見が割れている論点で、特定野党にとって実現に意味あり、
且つ、与党との間で別の政策課題でバーターができれば別の話です。
逆に、継続的な部分連合が出来れば、それは閣外協力と大差のない
話になります。

②のみんなの党の連立入りですが、民主がみんなの党の主張を丸呑
みするしかありません。それでも取り込まれるみんなの党には、自
殺行為になります。勿論、社民党が普天間問題で、国民新党が郵政
法案で行った様に、連立与党全体を振り回す事もできますが両党共、
議席を減らした事も忘れてはなりません。組織が固まっておらず、
無党派の風に依存しているみんなの党は、地方組織や支持層が明確
に固まる迄は、政権や与党を徹底的に批判する事で、不満層を取り
込む事が有利となります。

③の公明党の場合も連立入りの条件は、民主が公明党の主張を丸呑
みする事しかありません。実際には、公明党の主張は、自民党より
民主党の方に近いので、それが障害になる事はないでしょう。それ
より民主党の支持層が持つ公明党に対する抵抗感がどの程度かによ
る事になります。公明党は地方組織も支持層も固まっているので、
連立入りによって、支持層の離散を懸念する必要もありません。
公明党の連立入りが、実現性は一番高いと思われます。あとは、連
立入りの時期と条件の問題と思われます。

④のみんなの党と公明党両方の連立入りは、最初にみんなの党が連
立入りに、それでは、参議院で多数にならない為、公明党が後から
連立に参加する場合にのみ実現すると思われます。みんなの党と公
明党は主張が異なりますので、同時に連立に参加する事は、自党の
主張の実現にはマイナスにしかなりません。

⑤の自民党の大連合は、自民党にとって意味があるかどうかという
問題になります。小泉元首相が選挙中に主張した様に、自民党は、
野党としての主義主張を確立しなければ、存在理由を失う事になる
と思われます。

⑥の選択ですが、対象は、具体的には社民党、共産党になります。
たちあがれ日本と新党改革は所属議員数が少なく民主党側に連立す
る意味が乏しくなります。いずれも、衆議院では、三分の二を確保
できますが、参議院では多数になれません。社民は、一番の支持地
域である沖縄に対して大見得を切って連立から離脱しただけに、す
ぐに連立に復帰するには抵抗があるでしょうが、政権に入る事の旨
味を覚えただけに、最初は閣外協力、その後に連立復帰という事も
考えられます。共産党の政権参加も、可能性としては考えられます。
共産党の政策は民主党とそれ程大きな違いはありません。あとは、
民主支持層の共産党に対する反発の大きさだけの問題と言えます。

⑦政界再編による新たな枠組みは、ありそうで、なさそうに思いま
す。小政党の離合集散はありえますが、自民党の有力政治家が党を
割る事は、舛添新党の失敗を見てもまずないと思われます。
民主党の場合は、唯一、小沢グループが党を割る事が考えられます。
その上で、内閣不信任が可決され、衆議院解散、総選挙に進める事
ができれば、もう一度政界全体のガラガラポンが実現するかも知れ
ません。しかし、それは、民主党政治が完全に行き詰まり、次回の
総選挙で、民主党が勝利できない事が明白になった時であろうと思
われます。

⑧のその他は、参議院での少数という現在の連立が維持されるケー
スです。法案や国会同意人事が殆ど棚上げになり、政権は混乱する
事になります。それがどの位持続するかは、民主党がどこまで辛抱
できるかによります。すっきりと公明党との連立に進むか、他党と
連立するか、混乱が持続したまま政界再編に進むかは、私の予想で
は6割、3割、1割程度の確率ではないと愚考する次第です。


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