2010年9月1日水曜日

韓国 イージス艦二番艦「栗谷李珥」就役


※写真上は朝鮮日報Webサイトから、下は聯合ニュースWebサイトからの転載

韓国軍:イージス艦「栗谷李珥」が就役
昨日、大宇造船から韓国海軍へ引き渡し 1000個の標的を同時に追跡可能


韓国にとって2隻目のイージス艦となる「栗谷李珥(イ・イ)」が、本格的な
任務に就いた。
大宇造船海洋は31日、玉浦造船所(慶尚南道巨済市)で7600トン級イージス駆
逐艦、栗谷李珥を韓国海軍に引き渡した。イージス艦は、目標物の探索から破
壊までを同時に行う「イージスシステム」を搭載した軍艦だ。これで韓国海軍
は、韓国初のイージス艦「世宗大王」に続き、2隻のイージス駆逐艦を保有す
ることになった。

栗谷李珥は、およそ1000個の標的を同時に探知・追跡し、このうち約20個の標
的を同時に攻撃可能だ。また、広域対空防御、地上作戦支援、航空機・ミサイ
ルや弾道ミサイルの自動追跡など、さまざまな技術を備えている。最大速力は
30ノット(時速55.5キロ)で、およそ120発の対艦・対空ミサイルと長距離対
潜魚雷などを搭載し、乗組員は約300人。

大宇造船海洋は、2006年6月に韓国海軍と契約を結び、設計・建造には4年2カ
月を要した。同社の関係者は、「栗谷李珥には、イージス関連の戦闘装備だけ
でも300以上の人員が導入され、高い技術水準が必要だった。韓国初の戦闘潜
水艦・張保皐(チャン・ボゴ)から、忠武公李舜臣(イ・スンシン)、大祚栄、
姜邯賛(カン・ガムチャン)など、最新鋭の艦艇を建造してきた経験が、今回
の建造にも大いに役立った」と語った。

栗谷李珥という艦名は、韓国海軍将兵によって命名され、壬辰倭乱(文禄・慶
長の役)が起こる前から「十万養兵説」を主張した李珥の「備えあれば憂いな
し」の精神を盛り込んだ、と大宇造船海洋側は説明した。

(朝鮮日報 2010/09/01)

韓国2隻目のイージス艦「栗谷李珥」、海軍に引渡

韓国2隻目のイージス駆逐艦「栗谷李珥」(7600トン級)が試運転を終え、
31日に海軍に引き渡された。
慶尚南道・巨済の大宇造船海洋玉浦造船所で同日午前、海軍関係者ら100人
余りが出席するなか、引渡式が行われた。2006年に建造契約が結ばれ、4
年2カ月の工程を経て完成し、これまで国防技術品質院や海軍、業界関係者な
ど約150人からなる試運転評価チームが、戦闘システムなどのテストを実施
してきた。

(後略)

(聨合ニュース  2010/09/01)


韓国の二番目のイージス艦である「栗谷李珥(ユルゴク・イイ)」
が就役しました。2008年11月14日に進水しましたから、艤装に約2
年を要しています。一番艦と比べるとほぼ同程度の時間がかかって
います。通常は、二番艦は一番艦に比べ建造期間は若干早くなるの
が通例ですが、イージスシステムを搭載する場合は、その調整を米
国からの技術者が行いますので、予定した時間をきっちり使ったの
かも知れません。

日本のイージス艦との違いですが、イージスシステムにあたご級と
同じベースライン7を使っている点は同じですが、対潜ミサイルと
国産巡航ミサイル用に国産開発の垂直発射装置を80基のMk41VLSと
は別に40基搭載している事、及び、対潜システムとして浅海に対応
した別開発のシステムを採用しているのが主要な相違点ですが、細
かく見ると同じ、米国のアーレイ・バーク級をもとにしたのにこれ
程違うのかと思える程の違いがあります。

一番艦の世宗大王は、この8月に行われたリムパックの際に、米国
でのイージスシステムの能力評価試験を受けた様です。その一番艦
で作成された運用手順に基づいて、栗谷李珥は就役後の慣熟訓練が
行われる事になります。この点、一から運用手順を作成しなければ
ならなかった世宗大王に比べ、一定水準の運用レベルの到達する期
間は短くて済むものと思われます。

韓国のイージス艦は、今年中に三番艦が進水する予定であり、2012
年には就役予定です。それに加え、更に三隻を追加建造する計画が
あります。韓国のイージス艦建造計画は、仮想敵として日本を強く
意識していた金大中・盧武鉉政権下に推進されたものであり、北朝
鮮を主敵と考える李明博政権の下で、この三隻の追加建造が実現す
るかどうかは、不明です。一隻1000億円以上を要する高価な艦が、
韓国にとって本当に使いでのある装備か否か、きちんと評価して貰
いたいものだと思われてなりません。


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