※ミストラル艦上に着艦したロシア海軍のKa-29強襲輸送ヘリコプター
http://blogs.yahoo.co.jp/rybachii/40566572.htmlより転載ヘリ空母機能持つ仏最新鋭艦、露に売却へ
フランス国防省高官は8日、ロシア政府が購入を打診していた仏海軍の最新鋭
強襲揚陸艦「ミストラル」級(排水量2万1300トン)について、ロシア向
けに1隻を売却する方針を表明、さらに3隻の建造を検討中であることを明ら
かにした。ヘリコプター空母としての機能を持つ攻撃型艦船を北大西洋条約機
構(NATO)加盟国がロシアに売るのは極めて異例。米国やバルト海沿岸の
NATO加盟国に加え、グルジアなどが安全保障上の懸念を表明している。
ロシアは2008年夏にグルジアに侵攻した際、兵員派遣に手間取った経緯が
あり、大量の要員や装備品をヘリで短時間に前線展開できるミストラル級への
関心を強めたとされる。購入は、ロシア軍の展開能力を高めることになるため、
ロシアの周辺国が仏政府に対して懸念を通告していた。
訪仏中のゲーツ国防長官は8日、フランスのモラン国防相と会談した際、「東
欧やバルト海などロシアと接する国々が懸念している」と伝達した。
ミストラル級の推定価格は1隻あたり最大5億ユーロ(約650億円)。仏政
府が売却に応じたのは武器輸出による外貨獲得に狙いに加え、NATO内にあ
っても仏独自の軍事戦略を維持しようとする仏政府の姿勢の表れと見られている。
(読売新聞 2010/02/09)
旧ソ連は、第二次大戦後、様々な種類の艦艇を設計、建造しました
が、最後まで物になら無かったのが、空母と強襲揚陸艦でした。
長くソ連海軍の司令官の職にあったセルゲイ・ゴルシコフはその著
書「海軍戦略」の中で、揚陸戦の重要性について繰り返し述べてい
ますが、実際には、ロシアが大規模な揚陸戦を行ったありませんで
した。その為、揚陸戦の実際について経験が乏しかった事から、建
造した揚陸艦艇も、アリゲータ級の様に米国が第二次大戦時に建造
した戦車揚陸艦(LST)の二番煎じの様な艦や、イワン・ロゴフ級の
様な、中途半端な揚陸艦になってしまいました。
旧ソ連時代には、兵器の開発と製造に人的、物的資源を優先して配
分し、全てを自国開発兵器で揃える事ができましたし、ソ連崩壊後
は数少ない競争力を持つ分野として比較優位を維持出来ていました
が、ロシアが、資本主義経済をもとにした民主主義体制になり、兵
器についても、国際競争の下に置かれる様になった事で、兵器製造
の点でも比較優位が維持できる分野は徐々に縮小してきました。
その中で、ロシアの水上艦艇建造能力は、長年の予算不足の影響も
あって、旧ソ連時代の艦艇設計・建造能力を維持できておらず、
インドと契約したキエフ級空母四番艦アドミラル・ゴルシコフ改め
バクーの売却に伴なう改造も、工期、費用共に大幅な超過を余儀な
くされている状況にあり、特に大型艦艇の建造能力には、疑問符が
つく状態になっているのです。
その様な視点から見れば、今回の「ミストラル」級強襲揚陸艦のフ
ランスからの購入は、ロシア海軍にとって、一番弱く、経験の乏し
い部分を補う上で、非常に合理的な選択であると言えます。その上、
艦艇設計や建造に関わる、西側の設計思想や技術、また最新艦艇に
は必須のC4ISR関連機器やシステムについて、西側技術を大幅に取
り込む事ができると考えられます。今回の契約でロシアがどこまで
電子技術導入を行うか不明ですが、場合によっては、従来のロシア
国産の電子機器・電子兵器に代わって、西側の兵器体系が、ロシア
艦艇に搭載される様になる可能性すらあると考えられるのです。
ヨーロッパ諸国は過去に、中国に、艦艇や技術を売り込んだ事もあ
り、中国の艦艇のCIC設備はイタリア製とフランス製機器のライセ
ンス生産品が混在していると言いますが、ロシアについても、同じ
道を辿るのかも知れません。
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