※写真は、SpaceX社Webサイトから転載
SpaceX社が、1月4日付で、Falcon9ロケットの初打ち上げに向けて
の準備状況についてアップデートを行ったので、抄訳します。
SpaceXチームは2010年を、テキサス州の実験場でのFalcon9ロケット第二段エ
ンジンの実燃焼時間テストの完全な成功で幕を開けた。これにより発射に必
要な、最終段階のエンジン燃焼テストは完了し、第二段ロケットは今月末の
ケープカナベラルへの船積みに向け梱包される。
ロケットの組み立てが、どれだけ上手くいくかにもかかっているがロケットの
打ち上げは、1ヶ月~3ヶ月の間に行われる事になる。
2009年は、SpaceX社にとってエキサイティングな年であった。7月には、ラザ
クサットの打ち上げ成功により、Falcon1ロケットは、商業衛星の軌道への打
上げに成功した、初の民間開発液体燃料ロケットになった。
同じ7月に、SpaceX社のレーザーイメージ探知計測装置(LIDAR)であるドラゴン
アイをNASAのスペースシャトルSTS-127で打ち上げ、ISS(国際宇宙ステーション)
へのドラゴン宇宙機の接近を管制する為の飛行試験に成功した。また、ホーソ
ンの本部では、宇宙ステーションへの飛行に備え、初の宇宙飛行士訓練が行わ
れた。
また、NASAと共同で開発していた高性能熱遮蔽材料であるPICA-Xの初の溶接テ
ストにも成功したが、これは、ドラゴン宇宙機の再突入の機体保護に使用され
る事になっている。更に、マーリン真空エンジンは、米国の炭化水素ロケット
エンジンで最高の効率を示している。SpaceX社は、いくつかのキーとなる顧客
の開拓にも成功した。この顧客の中には、CONAE(アルゼンチン国立宇宙活動委
員会)、Astrium社やOrbcomm社が含まれている。
商業宇宙産業の現下の発展については、ポピュラーサイエンス誌でも「新スペ
ースラッシュ」という最近の特集で取り上げられた。
この記事では、この産業全体についての見通しが提供されているがサブタイト
ルになっている「誰がNASAを必要とするのか」という問いについては賛同でき
ない。この記事を読めば、記者の意図が商業的宇宙開発の興奮を伝達すること
を目的としているのは明らかである。しかし、明らかに、NASAは、特に商業的
な市場がない深宇宙探査の領域で、これまでも、またこれからも重要な役割を
果たしている。NASAなくしてはSpaceX社の今日もなかったに違いない。
我々のFalcon9ロケットの初打ち上げが近づいてきているにつけ、SpaceX社は、
NASAや空軍、FAA、そして民間の顧客の皆さんに、その変わらない支援につい
てお礼を申し述べたい。
そして、特に、この最後の数ヶ月に全SpaceXチームが見せてくれた会社と任務
に対するしっかりした関与に対して感謝したい。彼らの激務と献身により、
2010年は、より良い年になると約束されている。
イーロン・マスク(Elon Musk)
Falcon9第一段
ケープ・カナベラルへの到着を前に、Falcon9の第一段は、テキサス州の実験
場に到着した。そこで、完全なチェックアウトを行った上で、高さ72メートル
(235フィート)の地上燃焼試験台に上げて、九つのエンジンによる発射試験
を二回を実施し成功した。最初の燃焼試験は10秒間で、3日後に継続時間30秒
間の燃焼試験を行った。実験では全てが計画通りの性能を達成した。その上で、
我々は第一段をフロリダに船積みした。
Falcon9第二段
Falcon9の第二段も同様にテキサスに送られた。そこで、静的充填試験が行わ
れた。その上で、その前にテストされていたマーリン真空第二段エンジンと結
合された。システムチェック終了後、第二段は、新しく作られた第二段地上燃
焼試験台に搭載された。11月に40秒の初期第二段燃焼テストを行った。このテ
ストでは、地上燃焼試験台と新しい第二段が使用され、計画通りのテスト実施
が確認された。
2010年1月2日には、テストチームは、329秒の軌道投入実時間燃焼テストを行
った。フルパワーで、マーリン真空エンジンは、411,000N(92,500lbs)の推力
を発揮し、米国製炭化水素エンジンでは最高の性能を示した。
第一段、第二段、ドラコスラスター各エンジン用に複数の地上燃焼試験台を保
有する事は、飛行用ハードウェアを準備する上で、大きな柔軟性を与える事に
なる。現在のマニフェストでは、25回のFalcon1e及びFalcon9の打ち上げが予
定されており、その内、17回は、ドラゴン宇宙機のものとなっている。我々の
地上燃焼試験台は、全て忙しく使用される事になる。
マーリン真空エンジン拡張ノズル
我々は、第二段用マーリン真空エンジンの最初の飛行用拡張ノズルを製造した。
薄く、高耐熱合金製の大きな拡張ノズルは、エンジンの再冷却部分から延長さ
れ、真空中のエンジン性能を向上させる。大きさは高さ2.7メートル(9フィー
ト)と直径2.4m(8フィート)で、Falcon 1の第2段エンジンで使われるノズルに
似ているが若干大きい。
ドラゴン検証用宇宙機
Falcon9の初打ち上げでは、ドラゴン検証用宇宙機が軌道に打ち上げられる。
テキサスでのテスト終了後、ドラゴン宇宙機は初飛行に備え、ケープカナベラ
ルへ輸送される。
飛行に備えて、ドラゴン宇宙機はトランクに係合された。そのトランクは、将
来の飛行では、非加圧補給品と太陽電池パネルを収容する事になる。
ドラゴン宇宙機の構成で飛ばすことによって、軌道に乗り、そして、周回する
際の性能について価値あるデータを得る事ができる。そして、それによって次
回のFalcon9の飛行をサポートする事になる。次回の飛行はNASAの民間軌道輸
送サービス(COTS)プログラムの下での最初の発射になる。
そのフライトでは、本番使用可能なドラゴン宇宙機は、地球を何回か周回した
上、再突入し、カリフォルニア沖の太平洋へ着水する事になる。
(SpaceX社Webサイト 2010/1/04)
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