2009年11月19日木曜日

Did Hatoyama intend to abandon Japanese claim for Northern territory? 鳩山首相は、北方領土要求を放棄するつもりだったのか?

「北方領土で日ロ会談」を撤回=言葉の軽さ浮き彫りに-鳩山首相

「現実を考えればなかなか難しい。意気込みみたいなものを申し上げた。」 
鳩山由紀夫首相は18日夕、午前中に行った北海道の高橋はるみ知事らとの会
談で、北方領土で日ロ首脳会談を行う案を検討する考えを示したことについて、
記者団に真意をただされるとあっさり撤回した。
首相は会談では「北方四島の択捉島なり国後島で、ロシアのメドベージェフ大
統領と会談できれば、それは一つの考え方だ」と言及。しかし、記者団には「
大統領とそういうところで議論できたら、問題解決に向けて大きく展開するん
じゃないかという思いで申し上げた」と、あくまで意気込みを語ったものだと
釈明した。
主権をめぐりロシアと係争中の北方領土で、首脳会談開催が困難なのは明らか。
首相はそれを承知の上で発言したことを認めた格好で、米軍普天間飛行場移設
問題での発言の迷走と同様、「言葉の軽さ」が問われそうだ。 
(時事通信 2009/11/18)


好意的に考えると鳩山首相としては、日ロの対立の象徴となってい
る北方領土で首脳会談を開く事で、自身の友愛外交を象徴的に歌い
上げたかったのかなと思います。しかし、その様な鳩山首相の思い
とは別に、国際的、外交的な常識としては、領土係争中の土地での
首脳会議に、その領土問題が解決する見込みもないのに参加する事
は、相手側の領土権主張を認めているのに等しい事になります。

昨年の北方領土でのビザなし交流でロシアが出入国カードの提出を
迫ったため、日本側はロシアの北方四島の主権を認める事になると
して拒否し、医療物資を載せたまま根室港に帰航、人道支援事業が
一時中止となる事態となったのも、同じ考え方によるものです。

北海道から選出されている衆議院議員であり、祖父が日ソ国交回復
を実現した功労者である鳩山首相がその事に対して知識がなかった
とは考え難い訳ですから、勘ぐれば、鳩山首相が北方領土を訪問す
るのは、北方領土問題の「全面的解決」に関して余程の成算がある
と想像できる訳で、そうであったからこそ、マスコミが大きく取り
上げたのだと思います。

では、鳩山首相は、どの様な、全面的解決策を考えていたのでしょ
うか。ロシアが、北方領土問題に関して、二島返還論以外の解決を
拒否しているのは、良く知られている処ですし、メドベージェフ大
統領やプーチン首相の「強いロシア」路線からして、三島返還論や
3.5島返還論(領土按分論)であっても、余程、長い交渉が必要と言
うのが大方の見方です。また、鳩山首相の帽子の中に、ロシア製の
手品の種があったとすれば、こんなに簡単に発言を撤回する必要が
逆に無い事になります。つまり、最初の北方領土での首脳会議発言
をした時、鳩山首相は祖父の路線による二島返還論しか頭になかっ
たのではないかと思えるのです。

そして、ここで自身の二島返還論による解決案をはっきりさせてし
まうと、自身と民主党に対する世論の風当たりが懸念されるので、
慌てて撤回したと言う訳です。こう考えると鳩山首相の理想とする
友愛外交とは、すべからく日本の国益放棄を前提にしているの
ではないかと懸念されるのです。


環球閑話日々の徒然まとめサイト
http://space.geocities.jp/ash1saki/





0 件のコメント: