2009年7月8日水曜日

与那国島よりも下地島に統合部隊を配備すべし


与那国に陸自配備検討 防衛省 中国など反発の恐れ

防衛省は一日、陸上自衛隊の部隊を南西諸島の国境にある与那国島に配備する
ことを検討する方針を固めた。同省首脳が明らかにした。日本防衛の重点を旧
ソ連を仮想敵国とした北方から南西諸島に移す配置見直しの一環。年末に決定
する新「防衛計画の大綱」に反映させたい考えだが、周辺には中国が領有権を
主張する尖閣諸島があり、中国の反発も予想される。
沖縄県には現在、那覇に陸上自衛隊第一混成団が置かれている。混成団は島し
ょ防衛を打ち出した現大綱に基づき、本年度末に旅団に格上げされ、約千八百
人から二千百人へ増強される。しかし、与那国など先島地方は沖縄本島から約
五百キロ離れており、部隊配備を検討することとした。
外間守吉・与那国町長は先月三十日、浜田靖一防衛相を訪ね、陸自誘致の要望
書を手渡した。浜田氏は「国境の島である与那国島は国防上も重要」と積極的
に検討する考えを表明。近く与那国町を視察する意向も伝えた。
与那国島への部隊配備は以前も検討されたことがあるが、インフラ面の不備な
どから見送られた経緯がある。また、与那国町は台湾との直接航行で振興を目
指す「国境交流構想」を推進中で、地元には部隊配備で周辺国を刺激し、構想
が停滞すると心配する声もある。

(東京新聞 2009/7/02)


上の地図を参照して頂きたいのですが、与那国島は正に国境の島と
言えます。与那国島から台湾は僅か100km、その一方、沖縄本島は、
500kmの彼方にあります。与那国島に一番近い大都市は、那覇では
なく台北なのです。この様な国境の島に、今まで、自衛隊が配置さ
れてこなかった事が問題です。北海道は勿論ですが、対馬にも、硫
黄島にすら自衛隊は配備されています。与那国島の大きさは、硫黄
島よりも大きいのですから、自衛隊を配備できない理由はありません。

勿論、それ程大きな島ではないですから、対馬警備隊よりも小さな
規模になると思われます。現在の構想では、陸自の部隊を配備する
だけであるようですが、それであれば、精々、中隊規模になるので
はないかと思われます。与那国島の位置関係からすれば、それを行
う意味はあると思いますが、それだけで先島諸島の防衛が完結する
訳ではありません。尖閣諸島を含む先島諸島全体の防衛を考えるの
であれば、寧ろ、下地島にある空港の有効活用を考えるべきです。

下地島空港は、実質民間パイロット専用の訓練空港になっています
が、3000X60mの滑走路という第一級の設備を備えています。
しかしながら、近年では、民間パイロットの訓練へのシュミレータ
利用が拡大しており、利用度は傾向的に低下しています。この為、
現地でも自衛隊の誘致の動きがあったのですが、在日米軍が関心を
示した事もあって、反対運動が起こり誘致決議が撤回されてしまい
ました。

ただ、既に大規模な滑走路が存在しているのは、空自や海自の航空
機運用上は大きな利点です。尖閣諸島有事の際に、この施設を自衛
隊が利用可能か否かで、問題の行方が決まる程の違いが出てきます。
現在の海保だけの対応では、侵入を阻止できない場合に備え、高速
ミサイル艇や、輸送艇、ヘリコプターを備え、陸自部隊と共同で、
尖閣諸島警備を実行する統合運用部隊を下地島に是非設置すべきで
はないかと考えます。

その意味で、空自または海自の基地設置を粘り強く働きかけていく
必要がありますが、その有事の際に陸自は、与那国島にいるという
のでは空自海自との連携が上手く行くとも思われません。
与那国にも国境警備隊は必要ですが、主力は、空自、海自と共に、
下地島にあって機動的に、尖閣列島をサポートするというのが、あ
るべき姿ではないかと考える次第です。


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