2009年2月17日火曜日

北朝鮮 誤解をさけたいなら情報公開が一番


※北朝鮮のプロパガンダポスター

北朝鮮、ミサイル発射準備を否定 「人工衛星」打ち上げと

北朝鮮は16日、ミサイル試射準備を進めているとの観測を否定し、人工衛星の
打ち上げを準備していると主張した。韓国の聯合ニュースが伝えた。

米高官は先週CNNに対し、米偵察衛星が撮影した北朝鮮の画像に、ミサイル発
射準備とみられる動きが写っていたと述べた。撮影地点は以前、長距離弾道ミ
サイル「テポドン2」が発射された場所。

聯合ニュースは16日、北朝鮮国営の朝鮮中央通信(KCNA)の報道内容として、
北朝鮮が「宇宙開発」を実施すると計画だと伝えた。北朝鮮は「何を打ち上げ
るかは後で分かる」と述べ、ミサイル試射計画を否定。宇宙開発が北朝鮮の権
利であるとしたうえで、海外の報道が、北朝鮮の主権で行われている活動を阻
止しようとする「悪意ある策略」だと批判した。

聯合ニュースは、今週予定されているヒラリー・クリントン米国務長官の訪韓
に先立ち、北朝鮮が米政府にメッセージを送った可能性があると指摘した。

北朝鮮は1998年にミサイル「テポドン1」を発射した際にも、人工衛星を打ち
上げたと発表した。韓国は宇宙開発の権利をめぐる北朝鮮の主張を受け入れな
い姿勢にある。聯合ニュースによると、柳明桓外交通商相は16日の議会審議で
「ミサイルであれ人工衛星であれ、打ち上げは(核開発とミサイル実験の中止
を盛り込んだ)国連安全保障理事会決議第1718号に違反する」と述べた。

(CNN.co.jp 2009/2/17)


一瞬、寝言は寝て言えと言いそうになりましたが、北朝鮮が本気で
人工衛星を打ち上げようというのであれば、北朝鮮が技術輸出した
イランが見事に衛星打上に成功したのですから、技術的な基盤はあ
ると考えて良いと思われます。今であれば、独自のロケットで人工
衛星を打ち上げた10番目の国という事になり、韓国を凌ぐ事が可
能です。これは、北朝鮮にとって、今や殆ど実現不可能になった北
が南を凌駕する得がたい機会であると言えます。
(尤も、北朝鮮では1988年に人工衛星の打ち上げに成功した事にな
っているんですが....)

少なく共、核開発の様な、ご禁制の技術開発ではない、まっとうな
技術開発と言い張れるのです。勿論、ミサイル開発とのデュアルユ
ーズである事は、世界中が判っています。であるからこそ、世界に
信頼されない国である北朝鮮が何を言った処で、「ミサイル発射準
備」という情報が世界を駆け巡る事になります。

そこで、北朝鮮にお勧めなのが、イラン程度には、情報公開を行う
事です。今回に関しても、もし、本当に人工衛星を打ち上げ様とい
うのであれば、ごくまっとうに、発射日時と燃焼が終了した落下物
の予想落下位置等の情報、衛星本体や、打ち上げロケットや打ち上
げ施設の写真などを公開すれば良いのです。

勿論、公表すれば、技術水準が判ってしまうという欠点もあります。
あまりにお粗末で恥ずかしいのが、秘匿する理由である事も判りま
す。それでも、少なくとも、世界は、北朝鮮が人工衛星を打ち上げ
ようとしている事に対し疑念を抱く必要はなくなります。

1988年に北朝鮮が発射したのが、本当に人工衛星であり、それが事
前に公表されたものであったのなら、日本のMD体制がこれ程急速
に整備される事はなかったと言えます。それが、北朝鮮が情報を事
前に公開にしなかった事により、日本向けのミサイル開発と受け取
られた事から、一般の日本人が予想できなかったスピードで整備が
進んだのです。これは、北朝鮮にとっては、日本への影響力の切り
札が封じられた事になり、明らかに国益にマイナスの影響を与えま
した。

情報秘匿は、必ずしも、国防力強化に役立たないという好例ですが、
「何を打ち上げるかは後で分かる」などという寝言ではなく、適切
な情報を公開する事が、北朝鮮が「普通の国」になる上でも重要な
行動である様に思われてなりません。

まあ、それができないから北朝鮮なんでしょうね。


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