2009年7月13日月曜日

都議選 だれも報じないもう一つの大敗

※勝利を喜ぶ民主党 産経新聞サイトより転載

都議選 自公過半数割れ 民主54議席を獲得、初の第1党

東京都議選(定数127、42選挙区)は12日投票、即日開票された。政権
奪取を狙い、追い風に乗る民主党(現有34議席)が各選挙区で票を伸ばし、
54議席を獲得、初めて第1党となった。麻生政権の支持率低迷で逆風にさら
された自民党(同48議席)は38議席に大幅後退。公明党は現有に1議席を
加え23議席としたものの、自公を合わせた与党の議席は勝敗ラインの過半数
を割り込んだ。自民党内で麻生太郎首相の責任を問う声が強まるのは必至で、
次期衆院選に向け首相の進退に波及する可能性も出てきた。

投票率は54.49%で、前回(05年)の43.99%を大きく上回った。
自民は40年間にわたって維持してきた第1党から転落した。与党の過半数割
れで、石原慎太郎知事は難しい議会対応を迫られることになりそうだ。

民主は38選挙区で公認候補がトップ当選を果たした。七つある1人区のうち、
6選挙区で自民党候補らと争い、5選挙区で当選。3人を擁立した世田谷区や
練馬区では全員が当選するなど、圧勝した。

自民の38議席は、第2党に転落した1965年に並ぶ過去最低の議席数。特
に1人区では6人が落選する惨敗を喫した。複数人区でも荒川区や北多摩2区
で議席を失った。

公明も逆風下での選挙となったが、支持母体の創価学会を中心に徹底的な組織
戦を展開、5回連続の候補者全員当選となった。

共産党は前々回から続いた退潮傾向から脱せず、現有13議席を8議席に減ら
した。東京・生活者ネットワークは4議席が2議席になった。社民党は議席を
回復できなかった。

(毎日新聞 2009/7/13)


自民党が大敗するのは、もうお約束という感じがしていた都議選で
したが、その通りの結果になったと思います。
民主主義国の選挙では、景気後退中に、政権与党が勝利するという
のは、余程の争点が存在している時だけです。

結果的には、オーバーにすぎる表現という意見もありますが、百年
に一度というリーマンショック以降の景気の急速な落ち込みで、失
業や所得の落ち込みという形で、庶民が肌で痛みを感じている時に、
政権与党が選挙で敗れるのは当然と言えば当然なのです。

麻生内閣になってから、一年程ですが、この間、実に四回もの予算
案を通過させています。通常は一年に一回の予算を四回も通してい
るのは、内閣の成績としては立派なものです。そのお陰という訳で
もありませんが、景気もショックからの立ち直りがほの見えてきた
という状況にあります。そういう意味では、麻生内閣の経済運営は
適切を欠いていたとは言えませんが、マスコミは麻生内閣の批判一
色であり、評価する声は殆どありません。その点では、安部内閣の
時と同様の政権交代へのメディアスクラムが出来上がっています。

大都市圏は、無党派層も多く、その投票行動が、特にマスコミの報
道の影響を受け易い事を考えれば、今回の都議選で、自民が敗れる
のは、必然であったとすら言えます。

この敗北により、自公の議席は、選挙前は70議席でしたが、選挙
後は61議席と9議席の減少となりました。しかし、この与党の敗
北の陰に隠れ目立たないものの、実は大敗北を喫した政党が他にも
あります。一つは共産党。13議席から8議席へと議席は4割減と
なりました。もう一つは、東京・生活者ネットワークで4議席が2
議席と半減してしまいました。東京・生活者ネットワークの性格付
けは必ずしも明確ではありませんが、民主党左派や社民党と似た性
格を持つと言えます。

この結果は、一部に『蟹工船』現象として持て囃されていた、共産
党や、マルクス主義に対する若者の支持の増加が、殆どあるいは、
全く、選挙結果に現れておらず、逆に、民主党という『変化への期
待』だけに支持が集中している様子を示したものと言えます。
(実際に、民主党が都議会で何をやったのかを評価したものではな
い事は、民主党が都議会で知事提出の条例案に99%以上賛成してい
る準与党であった事からも明らかです。)

その意味で、確かに、民主党への世論の『変化への期待』は、大き
いものの、その支持の多くはマスコミの反自民キャンペーンと景気
悪化の責任を時の政権への批判に結びつけたものであり、民主の支
持基盤は、確固としたものではなく、争点の選び方によっては、振
り子は再度大きく動く事を予想させるものと言える様に思います。


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