2010年7月9日金曜日

中国人専門家のトンデモ見解を無批判に垂れ流した朝日新聞


※上はウルムチで観測されたUFO。下はソユーズUロケット。
sorae.jpサイトから転載

新疆の住民がUFOを観測 専門家「米国の大陸間弾道ミサイル」

6月30日の夜に新疆の上空を飛んでいった「未確認飛行物体」についての議
論がここ数日、高まっている。新疆の天文学者が4日に述べたところによると、
「未確認飛行物体」の正体は6月30日に米国が発射した大陸間弾道ミサイル
だという。

6月30日午後11時45分頃、烏魯木斉(ウルムチ)市の紅山停留所で空を
指差す人々の姿を見かけた。指が示す方角を見ると、正体不明の光る円形の物
体が後ろに長い扇形の白い光を伴いながらゆっくりと東の方へ飛んで行くのが
見えた。

「未確認飛行物体」は1日、インターネットで大きな論議をよんだ。烏魯木斉
市、克拉瑪依百口泉、阿勒泰市でもこの飛行物体を目撃した人がいる。

伊寧市の李峻さんはこの「未確認飛行物体」の撮影に成功した。李さんによる
と、車で清伊高速を走っている時に、長い光の尾を引く円形の「未確認飛行物
体」を発見、空に留まっていた時間は短かったという。

新疆天文学会の宋華剛秘書長によると、当該物体が「UFO」または未確認飛
行物体である可能性はなく、実際は6月30日に米国が発射した大陸間弾道ミ
サイルで、新疆の一部では空中を飛行するミサイルが肉眼でも観察できたという。

米軍は6月30日にカリフォルニア州のヴァンデンバーグ空軍基地から大陸間
弾道ミサイルを発射し、7000キロ以上離れた目標に命中させている。

このミサイルは現地時間6月30日未明3時40分(北京時間6月30日午後
6時40)に発射され、大気圏外で太平洋を横断し、マーシャル群島付近の的
に命中した。

(朝日新聞 2010/07/06)


中国新疆で見えた謎の飛行物体は「ソユーズUロケット」

6月30日夜、新疆ウイグル自治区ウルムチ市の上空で謎の飛行物体が目撃され
たことで、ネット上で注目され、UFOやアメリカのミサイル実験ではないのか
との意見が多く、マスコミも報道している。

しかし、目撃写真や目撃時間などから分析すると、謎の飛行物体はUFOでも、
大陸間弾道ミサイルでもなく、その日にバイコヌール宇宙基地から打ち上げら
れたソユーズUロケットである可能性が極めて高い。

プログレス補給船(38P=M-06M)を載せたソユーズUロケットはモスクワ夏時
間6月30日19時35分(北京時間23時35分)にバイコヌール宇宙基地から打ち上
げられ、打ち上げから約9分後にプログレス補給船(38P)を軌道に投入している。

バイコヌール宇宙基地から打ち上げられたロケットは東に向けて飛行するため、
地図からも分かるように、打ち上げの数分後にウルムチ市の上空を通過する。
また、上の写真は謎の飛行物体を目撃した時の写真で、下の写真はロシア連邦
宇宙局が提供しているソユーズUロケットの写真である。両方を比較すると、
非常に似ていることもよく分かる。

(sorae.jp 2010/07/08)


サーチナの記事でさえ、見出しに「謎の飛行物体が!UFO?それ
とも米国のミサイル?-新疆」と疑問符付きで報じたにも関わらず
それを「新疆の住民がUFOを観測 専門家「米国の大陸間弾道ミ
サイル」と断定的に報じてしまって恥をかいたのが朝日新聞です。

通常、朝日の科学関係記事は、結構しっかりとした記事が多いので
すが、「米国のICBM」という言葉で、朝日新聞の外信部の記者は頭
に血が上ってしまって断定的に報道したのかも知れません。朝日新
聞は、日頃から「中国」の発言を真実として報道する事が多いので
「中国」を100%信頼するという社是でもあるのかも知れません。
今回も「中国の専門家」の発言なので断定的に報道したという訳です。

でも、この記者が、若干の科学的な知識、あるいは軍事に関する知
識があり、地球儀を見て、少し考えれば、中国人の「専門家」の意
見が極めて疑わしいものである事が判った筈なのです。

そもそも、米国のカリフォルニアから発射されたICBMが、ウルムチ
の上空を通過した上で、マーシャル群島に着弾する事など通常は、
ありえません。特に米国のICBMは、ミサイルを小型化し、搭載量を
最大にする為、最小エネルギー弾道を飛行するので、カリフォルニ
アからマーシャルを直線的な飛行経路で飛行した筈です。まして、
記事の中で「大気圏外で太平洋を横断し」とまで書いているのです
から、太平洋を横断したミサイルをウルムチで見えるのであれば、
日本でも見えた筈と簡単に推論できる筈なのです。

ちなみに、カリフォルニア州からウルムチ経由で、マーシャルに着
弾したのであれば、約34,000キロを飛行しており、地球の周
囲を四分の三回っているので、部分軌道爆撃システム(FOBS)に相当
しますが、このFOBSはSALT2で配備が禁止されています。

朝日新聞の記者らしく、米国のSALT2条約違反まで発見したのです
から、「中国の専門家」の発言が事実であれば、朝日の記者は、
大手柄を上げた事になった筈です。

でも、残念ながら、「中国の専門家」の発言は事実ではなく、朝日
新聞のもう一つの心の故郷であるロシアの平和的な国際宇宙ステー
ションへの補給任務のロケットであったという訳です。

朝日新聞さん、日頃から、「中国」の記事を無批判に報道している
と、思わぬ恥をかくという良い実例になりましたね。是非、今後は
慎重な報道を心がけて頂きます様お願いします。(笑)


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2010年7月8日木曜日

それでも、参議院選挙は、民主が勝つ

参院選:民主「改選54」維持も…中盤情勢 毎日新聞調査

毎日新聞は2~4日、第22回参院選(11日の投開票)について全国特別世
論調査を実施し、取材情報を加味して中盤情勢を探った。民主党は選挙区と比
例代表を合わせて菅直人首相が目標ラインとする改選54議席は維持できそう
だが、連立与党で過半数の56議席に届くかは微妙。改選数1の選挙区(1人
区)を中心に自民党など野党と激しく競り合う。みんなの党が改選議席ゼロか
ら10議席台に乗せ「改選第3党」に躍進する勢い。投票先を決めていないと
答えた人や無回答が3割近くに達し、終盤の選挙戦で情勢が変わる可能性がある。

(毎日新聞 2010/07/04)


この処、各報道機関の世論調査で、参議院選挙で与党の過半数確保
が難しいという報道がされていますが、本当にそうなのでしょうか?
私は選挙中盤での、基本的に民主党を支持する報道機関による与党
不利という選挙報道は、投票行動への影響を考慮した民主党への投
票誘導戦略ではないかという気がしてなりません。
(産経が民主不利を報道しているのは、自民党へのエールのつもり
なのでしょうか?)

つまり、ここで、民主有利を打ってしまうと、民主シンパ層や無党
派層は、民主党に対する批判の意味で小政党へ投票する行動に出た
り、民主党政権に反対する自民支持層に必ず自民党に投票行う様に
逆バネをかけてしまうという恐れがあるという事です。

その反対に、民主党不利という報道をすれば、民主シンパ層や無党
派層は、民主党に若干の不満を持っていても、民主党に投票するで
しょうし、自民党支持層は逆に小政党に投票する様になります。ま
た、民主党の活動家に対しては、選挙対策に最後の鞭を打つように
促せるので、民主党にとって不利になる事はないという訳です。

実際、上記の記事の続きにある政党支持率では、民主党33%に対し、
自民党15%でダブルスコアになっています。支持率がダブルスコア
なのに選挙で敗北する訳がありません。
しかも参議院選挙は、比例区が概ね、政党支持率を反映する比例代
表制に近い制度になっているのに対し、地方区は、二人区こそ、民
主と自民で分け合ったにしても、一人区は、小選挙区制と同じで、
第一党が圧倒的に有利な制度になっています。

勿論、選挙区毎にミクロな事情はあるでしょうが、全体的な政党支
持率が影響を与えない訳はなく、例えば、政党支持率が伯仲してい
れば選挙区の個別事情が、当落に決定的な影響を与えても、支持率
がダブルスコアであれば、余程、強烈な個別事情でもなければ、統
計的に捉える方が全体の傾向が見えやすいと言えます。

つまり、結論としては、民主党は政党支持率以上に議席を獲得でき
る事になります。今回の調査では支持政党なしは27%になっていま
すが、これと無回答を外した支持政党がある層の中での民主党の割
合は、45%です。これに上記の選挙制度上の有利さを加味すると、
民主党は、60議席以上の獲得が期待できます。非改選議席62議
席と合わせ民主党の単独過半数獲得はまず、間違いないと思われる
のです。

個人的には、是非、野党に風が吹いて欲しい処ですし、この観測が
間違っている方が日本の為には望ましいとも思うのですが、これ以
上に民主党側が自ら支持を落とす様なオウンゴールを更に続ける事
も考えにくいので、残念ながら民主党政権が、今後も、「独裁的」
な「反日ばら撒き政策」を続けるのではないかと考える次第です。


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2010年7月7日水曜日

F-35は、中国の新兵器により本当に威力を失ったのか?

※写真は、Japanese.CHINA.org.cnからの転載

中国の新兵器により威力を失うF-35 米軍は調達削減か

米メディアによると、オバマ政権はF35戦闘機2500機の調達計画を見直す考え
だ。中国など米国の潜在的ライバルのレーダーや対空ミサイル分野での驚異的
な進歩を受け、今後10年でF35を配備しても、90年代の設計当初のように「重
大な価値を有する」かどうかを再検討する必要に迫られたからだ。

米戦略予算評価センター(CSBA)のクレピネビッチ所長は「F35の設計完成以
来、世界は大きく変化した。中国など米国の潜在的ライバルの装備構成によっ
て、米軍のその他の航空機、ミサイルシステム、武器プラットフォームが、い
くつかの状況下では、高額なF35よりも有効になった」と指摘。その例として、
ハイテクレーダーや地対空ミサイルなど中国が現在開発・整備中の先進兵器シ
ステムを挙げる。これらはF35にとって十分脅威なので、前方基地や空母から
発進するF35は以前ほど役に立たない。国防総省はF35の調達数を思い切って削
減し、浮いた予算を他の航空機やミサイルの調達に充てるべきか検討する必要
があるというのだ。

クレピネビッチ所長は、こうした政策変更の有用性を指摘する。クレピネビッ
チ所長は米国防政策委員会の重要人物であるうえ、同委員会は多くの重要な問
題について国防長官に直接提言を行うため、国防総省もクレピネビッチ所長の
提言に非常に注目している。

F35はコストの肥大化とプロジェクトの遅れのため、米軍・政府双方にとって
関心の焦点となっている。1機当たりの価格は4500万ドルから1億ドル以上へと
つり上がり、海外の取引先の調達意向にも影響を与えている。だがゲーツ国防
長官や国防総省の一部高官は、F35の直面する難題を解決し、最終的に計画通
り調達することを希望している。

(中国網Japanese.CHINA.org.cn 2010/07/05)


この記事の元ネタですが、Dailytechの以下の記事であるようです。

F-35 Lightning II May Bring Less "Value" to Battlefield than Intended
http://www.dailytech.com/F35+Lightning+II+May+Bring+Less+Value+to+Battlefield+than+Intended/article18888.htm

確かに、中国の様な敵国が採用しようとしている新型レーダーや対
空ミサイルの高性能化がF-35の開発当初に意図した様な、「高性能」
を実現できるかどうかという問題点と、F-35の開発コストが、高騰
しており、2500機を調達するという計画の見直しが米政府内で提起
されているとの指摘があります。

両者を比較して興味深いのは、元の記事にあって、中国側の報道に
ない点や中国の記事で特に強調している点です。

元の記事自体が、具体性を欠くきらいがあるのですが、元記事のポ
イントは、F-35が敵とする国の対空システムの充実により、F-35の
有効性が減少した事に「加え」、米国の軍事予算が、F-35の様な
3820億ドル(約35兆円)も掛かる巨大兵器開発と、退役軍人向けの健
康保険の充実というこちらも巨費のかかる事業を、中東での作戦と
同時には実施できないというものです。

では、F-35に変わって何を採用するのかについては、元記事は、違
う機体によって充足する事が国防総省内部で検討されているとしか
述べられていません。

中国の記事は、中国が開発している新型の対空システムによって
F-35の有効性が低下したという点のみを大きく取り上げた記事にな
っているのです。

それでは、本当に、中国の対空システムの高度化により、F-35の有
効性は、大きく低下したのでしょうか。
中国の兵器は、ロシア(ソ連)の兵器を国産化したものや、一部改良
したものが多いのですが、対空ミサイルシステムもその例に洩れま
せん。現在主力として展開中の最新対空ミサイルシステムは、ロシ
ア製のS-300PMUであり、中国国産では最新のHQ-12は、ごく一部に
しか配備されていません。では、S-300PMUは、ロシアでいつ配備さ
れたのかを調べてみると1992年です。比較的新しく見えますが、同
じシリーズのS-300Pは1980年代から使われており、段階的に性能が
向上しています。これに対しF-35の開発が始まったのが、2000年で
すから、F-35の要求仕様を纏める上で当然、考慮された筈の対抗兵
器という事になります。(なお、ロシアでの最新対空兵器は次世代
のS-400になっています。)

従って、中国の新兵器によって当初想定された威力が低下したと言
う議論は成り立たず、寧ろ、コスト超過によるプロジェクト規模削
減の言い訳に使われていると言える様に思われるのです。

この様に見ると、中国の記事は、米国の記事から中国にとって誇ら
しい部分だけを抜き出したものであり、その内容はミスリーディン
グであると思われるのです。(中国軍部が本気でそうであると信じ
るのであれば、それはそれで対抗兵器を過小評価する事になります
が、中国の軍事専門家を、それ程、無能と想像するのは、不適切で
しょう。)


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2010年7月6日火曜日

金正日の「構って欲しい」という悲鳴が聞こえる

※Daryl Cagle's Political Cartoonists Indexより転載

新たな核開発を再度強調 北朝鮮の党機関紙

北朝鮮の朝鮮労働党機関紙「労働新聞」は5日、米国がニクソン政権時代など
に北朝鮮への核攻撃を検討したことが最近判明した件や、韓国海軍の哨戒艦沈
没によって生じた緊張状況に関連し「わが国は、核抑止力を新たに発展した方
法でさらに必要なだけ強化する当然の権利を有している」と主張する論評を掲
載した。

北朝鮮は6月28日にも外務省報道官が同様の立場を表明したが、「新たに発
展した方法」の内容には言及しなかった。今回の論評も具体的に触れなかった
が、従来のプルトニウム型に加え、高濃縮ウランによる核開発や、ミサイルに
搭載可能な核兵器の小型化などを示唆しているとみられる。(共同)

(産経新聞 2010/07/06)


6月28日引き続き二回連続しての発表です。北朝鮮はどうも、他国
の関心を引く事ができる様な一段レベルアップした核兵器技術を実
現できた様です。

それが、記事にある様な、高濃縮ウランによる核開発なのか、核兵
器の小型化成功なのか、あるいは、水素爆弾の開発成功なのかは、
現時点では判りません。

北朝鮮としては、その新たな核兵器技術で他国を脅かす事によって、
新たな経済援助を引き出すか、あるいは、金正日の後継指導者とさ
れる金ジョンウンの功績にしたくて堪らないのです。
しかし、他国が一向に気にしないものですから、わざわざ二回目の
声明を出したという訳です。

北朝鮮が忘れている事は、横紙破りな、核兵器開発をしても他国は
それを評価しないし、北朝鮮を必要以上に恐れる事もないという事
です。少なくとも、六ヶ国協議に参加している非核兵器国(日本と
韓国)で技術的に核武装が出来ない国はありません。

それに加え、北朝鮮が、核兵器を使用すれば、北朝鮮の現在の体制
は、即時に崩壊する事になります。何故なら、米国は、同盟国を核
攻撃した北朝鮮に核による報復を思いとどまる理由はないからです。
米国の核攻撃をうければ、北朝鮮の現体制は崩壊する事になるのは
確実です。その際、米国の核攻撃後に北朝鮮に進駐するのは、中国
人民解放軍かも知れません。

北朝鮮にとっては、核兵器は極めて政治的な兵器であり、体制存続
の保証となるものです。つまり、北朝鮮の核兵器は、あくまで脅し
の道具としての有効性はあっても、実際には使えない兵器なのです。

北朝鮮が核兵器の爆発力を10倍にした処で、最初に核兵器を保有し
た事と比べれば、諸外国への政治・外交・軍事上のインパクトは小
さいものでしかありません。

それに加え、数個の核爆発実験装置を作る事自体は、それほどの巨
費を要する事はありませんが、核兵器体系を整え実戦兵器として配
備する事には、巨額の費用がかかります。そんな費用は北朝鮮の国
力では、支出不可能なのです。その点から見ても、北朝鮮の核兵器
は、使えない兵器であり「張子の虎」に過ぎないのです。

北朝鮮の外交戦術は、ストリップショーによく例えられますが、そ
の伝で言えば、最初のうちこそ、北朝鮮のチラリズムに幻惑された
観客(六カ国協議参加諸国)もよくよく見れば、舞台の上の踊り子さ
んは、それ程魅力的ではなく、ワンパターンの踊りに幻滅しかけて
いるのが現状である様に思われてなりません。
そして、そういう観客の態度を見て、関心を引きとめようと「もっ
と刺激的なものを見せます」と悲鳴を上げているのが北朝鮮の今回
の声明である様に思えるのです。


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2010年7月5日月曜日

7月1日現在の惑星探査機の状況

※図は、Cassini任務概要図。Planetary Society Blogより転載。

Planetary Society Blogの以下のエントリーからの転載です。
以下の原文URLにプロジェクトサイトへのリンクが多数ありますの
で、より詳細は知りたい方はそちらを参照して下さい。

What's up in the solar system in July 2010
http://planetary.org/blog/article/00002566/

昔々、小松左京の「さよならジュピター」を小説で読んでいた頃、
出だしの処で、惑星探査機や人工彗星(!)が多数、太陽系探査飛行
を行っているシーンにわくわくした覚えがあります。
上記のブログで、この7月1日現在で、全部で18機(!)の探査機が、
太陽系の各所を飛行しているのを知り、SFの未来が実現した様な感
慨を覚えます。とりわけ、その18機の内、2機が日本のものである
事は、素直に誇らしいと感じます。


内惑星空間

MESSENGER水星探査機(NASA)
巡航飛行中。水星の周回軌道への投入まで、一年を切った。

Venus Express金星探査機(ESA)
引き続き沈黙中だが、取得したデータについては、先月のフランスAussoisで
の国際会議で議論された。内容は、金星大気から宇宙に脱出する水素の分量が
酸素の分量と比べ、略2倍である事が確認されたというもの。

Akatsuki金星探査機(JAXA)
金星で待つVenus Expressとの合同に向け、経路を巡航飛行中。金星への到着は、
今年12月末の見込み。

IKAROS試験機(JAXA)
Akatsuki探査機と同じく金星への軌道を飛行中。セイルの展開と太陽発電とLCD
による表面制御とイベントの多かった先月に続き、今月はいよいよ帆走テスト
が行われる見込み。

Lunar Reconnaissance Orbiter月探査機(NASA)
軌道からの科学的月面撮影任務を遂行中。6月末で、月面撮影1周年となる。

Deep Impact彗星探査機(NASA)
6月27日に地球フライバイに成功した。これにより、103P/Hartley2彗星へ11月
4日に予定通り到着できる見込み。彗星観測は9月初旬から実施される。
なお、7月4日で、Tempel1彗星へのフライバイから5周年となる。


火星

Mars Explorあation Rover火星探査機(NASA)
火星南半球の冬至を過ぎた。これからは、夜が短くなる。7月4日で、Spirit探
査機は、2308日に、Opportunity探査機には、2288日となる。Spirit探査機は、
2210日(3月22日)から応答なし。
軌道周回機は、Spirit探査機からの信号受信を周回毎に試みている。
Opportunity探査機は、東向きに移動中でエンデバークレーターの縁から既に
1キロメートル以上離れている。

Mars Express火星探査機(ESA)
最近の観測結果について、火星の北部低地に水成岩が広く分布しているという
新発見の公表があった。

Mars Reconnaissance Orbiter火星探査機(NASA)
引き続き火星の科学観測を実施中。MARCI天気情報によれば、夏の盛りに北極冠
の氷が溶け火星大気中の水蒸気量が増加し、それが巨大火山の周辺で雲を形成
しているのが観測された。

Mars Odyssey火星探査機(NASA)
火星軌道上で一番長い寿命を保っている探査機である。


小惑星帯

Rosetta小惑星探査機(ESA)
小惑星21 Lutetiaへ7月10日に接近する予定で、再接近時には、3169キロまで
近づく計画。接近の様子やニュースは、Rosetta Blogで公開されている。
http://webservices.esa.int/blog/blog/5


土星探査

Cassini土星探査機(NASA/ESA)
土星軌道上で7年目に入った。これまでの6年間の観測に加え、更に7年間の観
測が行われる事になった。Cassiniは、134公転目をスタートした処で、中程度
に傾いた軌道を持っているが、7月7日の次回のタイタンフライバイで、土星の
輪の平面と等しい傾きに軌道修正を行う予定。


外惑星空間

International Cometary Explorer探査機(NASA/ESA)
2014年の地球接近に向け飛行中。地球接近時に軌道修正を行い太陽-地球のL1
を周回するハロー軌道に投入される。

Dawnケレス/小惑星探査機(NASA)
現在小惑星帯をイオンエンジンで順調に飛行中。2011年7月に小惑星ベスタに
接近する軌道に乗っている。

Stardust彗星探査機(NASA)
Tempel1彗星をフライバイするまで一年を切った。再接近は、2011年2月15日と
なる予定。

New Horizons冥王星探査機(NASA)
冥王星までの中間点である14.85天文単位を切った。冥王星~カロン系への接
近は、2015年1月~5月に行われる予定。7月1日に軌道修正が行われ成功した。


恒星間空間

Voyager1&2外惑星探査機(NASA)
引き続き順調に飛行中。


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