2009年3月6日金曜日

宛 北朝鮮国防委員長 「テポドン ハヤク ウテ」



※画像は以下のサイトより転載
http://honey-room.air-nifty.com/blog/cat3866335/index.html

ミサイル発射なら北資産を凍結 日本政府

政府は5日、北朝鮮が長距離弾道ミサイル「テポドン2号」の改良型とみられ
る「人工衛星」を発射した場合、現行の制裁措置に加え、在日本朝鮮人総連合
会(朝鮮総連)など北朝鮮関係団体の資産凍結や輸出制限措置を発動する方針
を固めた。北朝鮮による核開発やミサイル関連部品の入手を防ぎ、資金源を断
つのがねらいで、国連安全保障理事会にも制裁強化を提起する。また、第3国
経由の不正輸出や海外送金に関しては、外為法などの罰則強化も検討する。

外務省の斎木昭隆アジア大洋州局長と北朝鮮担当のボスワース米特別代表は5
日の会談で北朝鮮が「人工衛星」の打ち上げと発表した場合でも、国連安全保
障理事会決議違反に当たることを確認。斎木氏は制裁策として、北朝鮮関係団
体の資産凍結など日本側の対応を説明したもようだ。

資産凍結では、米国がマネーロンダリング(資金洗浄)に関与した疑いでマカ
オの北朝鮮の関連口座を凍結したことがあり、「日本でも朝鮮総連関係などの
資産が凍結されれば効果は大きい」(政府関係者)とみられる。また、北朝鮮
への輸出を原則禁止とし、アジア諸国を経由した迂回(うかい)輸出の監視も
強化する。

国連加盟国は2006年11月の安保理決議1718号に基づき、北朝鮮の核
開発や大量破壊兵器、弾道ミサイル計画に関連する資産・口座を凍結できる。
政府は凍結対象を広げ、「武器関連」とする新たな安保理決議採択を求めるこ
とも検討している。

政府が北朝鮮の弾道ミサイル発射に合わせた制裁強化の方針を固めた背景には、
「北朝鮮の弾道ミサイルの脅威を一番受けるのは日本」(外務省筋)という安
全保障上の要請や、拉致問題が一向に進展しない現状がある。北朝鮮関連団体
の資産凍結や輸出制限はすでに厳しい制裁措置を科してきた日本にとって「数
少ないカード」(政府筋)だ。日本の毅然(きぜん)とした姿勢を国内外にア
ピールし、国際的な対北包囲網を再構築する狙いもある。

「北朝鮮は国連の安保理決議違反だけでなく、日本を無視し、拉致問題に関す
る約束も守っていない。仮にミサイルを撃てば『行動対行動』だ」

政府筋の一人は追加制裁の目的について、こう説明する。昨年8月の日朝公式
実務者協議で合意した拉致被害者の再調査は実行されない一方で、米国が北朝
鮮のテロ支援国家指定を解除してしまった現在、日本は独自の対応を迫られて
いるという事情もある。

オバマ新政権の対北朝鮮政策はまだ明確でないが、「米朝直接対話と6カ国協
議の両輪で進める」(米政府関係者)とみられる。日本としては国際的にも非
難される弾道ミサイル発射を機に制裁措置を強化することで、米国や韓国など
関係国の対北政策をリードしたい思惑もある。

政府内の一部には、今回の北朝鮮の弾道ミサイル発射準備について、「北朝鮮
は、日本方面にミサイルを撃つというバカなことはしない」(外務省幹部)と
たかをくくり、圧力強化に消極的な意見もある。

しかし、北朝鮮が平成10年8月に発射した「テポドン」は三陸沖の太平洋に
着弾。18年7月に「テポドン2号」など計7発を発射したときには日本海に
着弾しており、弾道ミサイルの脅威を日本が強く受けていることは紛れもない
事実だ。

日本国内から、北朝鮮の核・ミサイル開発に転用可能な部品や装置などの不正
輸出が継続的に行われてきた実態もあり、追加制裁の必要性は以前から指摘さ
れてきた。制裁強化には拉致問題の進展を北朝鮮に迫る効果も期待できそうだ。

(産経新聞 2009/03/06)

新聞は小沢氏秘書逮捕で大騒ぎですが、実はこの処、外交問題で麻
生内閣の得点が続いています。

最初は、先月サハリンで行われた麻生首相とロシアのメドベージェ
フ大統領との会談で、麻生首相が「(北方領土問題を最終的に解決
する)平和条約交渉に具体的な進展がみられなければ、日露のアジ
ア太平洋地域でのパートナーシップ関係の構築はできない」と指摘
し、これに対し、大統領もうなずき「検討する」と答えたという事
が判りました。一部マスコミは、麻生首相がサハリンを訪問した点
を対ロ弱腰外交と非難しましたが、実際は、外交上のポイントを上
げていたと言えます。

二点目は、日本が攻撃された場合に米国が日本を防衛する義務など
を定めた日米安全保障条約が尖閣諸島に適用されるかどうかの米側
解釈の問題を巡り、米国務省が4日、適用されるとの公式見解を示
した点です。この問題は、オバマ政権が従来の米国の解釈を継承し
た事を示したものですが、中国重視の民主党政権でも、従来の解釈
を変えるつもりがない点で、日米同盟の強固さが確認でき、且つ、
中国が尖閣諸島問題で実力行使する事を封じたと言えます。

それに続くのが、この記事です。米国はあまり知られていませんが
テロ支援国指定解除後も、北朝鮮の在米資産凍結を引き続き実施し
ていますが、拉致被害国である日本は、在日朝鮮人問題がある事か
ら、北朝鮮資産凍結に踏み切れないでいました。もし、この記事が
正しければ、麻生政権は、対北朝鮮政策で従来より一歩踏み込んだ
対決姿勢を示した点で、意味があると思われます。もっとも、朝鮮
総連は、バブル崩壊の影響を受け、本部施設他を売却しており、実
質的に総連資産を凍結されても、影響は殆どないと思われますが、
それでも、その次の策として、北朝鮮籍の在日朝鮮人の資産凍結を
連想させる事で、北朝鮮に対する揺さぶりをかける事ができると思
われます。

その一方で、これに北朝鮮が過剰反応しても、あまり影響はありま
せん。過去何度も北朝鮮は、対日強硬声明を出していますので、仮
に北朝鮮が、核恫喝が行ったとしても、それが麻生政権批判に結び
つくことはありませんし、仮に自衛隊によるテポドン撃墜が成功す
れば、麻生政権への内政上の大きなポイントになるとさえ言えます。

更に、付随的な効果としては、民主党に対しても地雷を一つ埋めた
こんだことにもなります。つまり、在日韓国・朝鮮人の影響が強い
民主党が、政権獲得後、北朝鮮政策を緩和しようとした場合は、こ
の総連資産凍結の解除を優先せざるを得ませんが、拉致問題の進展
なくそれを行った場合、民主党は、国民の非難を覚悟せなばならな
いという事です。

この様に考えていくと、麻生政権としては、北朝鮮がミサイルを発
射する事で、二重三重に、政治外交的なポイントを重ねる事が可能
になると思われるのです。

宛 朝鮮民主主義人民共和国国防委員長
発 日本国内閣総理大臣
本文
「テポドン ハヤク ウテ」


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2009年3月5日木曜日

各国の戦略ミサイル潜水艦パトロールの実態


※画像は、Russian Submarine Patrols 1981-2008。
FAS Strategic Security Blogより転載

ロシアによる戦略ミサイル原潜パトロールが回復中

By Hans M. Kristensen

アメリカ海軍の情報機関からFAS(全米科学者同盟)が得た情報によれば、ロシ
アは、昨年、1998年以降で最多の核弾道ミサイル潜水艦を戦略パトロールに
送りだした。

その情報によれば、ロシアの戦略ミサイル潜水艦は2008年に10回のパトロール
を行ったが、2007年は3回、2006年には5回、2002年には、戦略パトロールま
ったく行われていなかった。

ロシア戦略ミサイル原潜パトロールの復活?

過去10年の間、ロシアに残された11隻の戦略ミサイル原潜(SSBN)は連続的な戦
略パトロールを維持していなかったが、その代わりに訓練目的で時折パトロー
ルを行っていた。セルゲイ・イワノフ国防相が、2006年9月11日に語った処では、
その時点で、5隻のSSBNがパトロール中であった。しかし、その数がその年に
実施されたパトロールの回数に一致した事から、それは連続的に実施されたと
言うよりも、むしろ一斉パトロールだった事が明らかになった。

それとは対照的に、アメリカ合衆国、フランス、英国は、連続的なパトロール
を少なくとも1隻のSSBNで行っている。アメリカ合衆国の場合、その14隻の
SSBNの内、3分の2はどんな時間にでも海上にあり。内4隻は警戒待機状態に
ある。

2008年の10回というロシアのパトロール回数は、ロシアが連続的なSSBNによる
パトロールを再開したかどうかという問題を提起している。ロシアによる戦略
SSBNパトロールの期間も間隔もわかっていない。もし、彼らが36日以上海上に
あって、重複がなければ、ロシアには連続的な海上の核抑止力があると言える。
しかし、2006年にように固まって行われるならば、海上核抑止の体制はまだ散
発的なものと言える。

Ryazanの航海

アメリカ海軍の情報機関から得られた情報では特定されていないが、ロシアの
パトロールのうちの1つは、恐らく、バレンツ海のコラ半島にある北方艦隊か
らカムチャッカ半島にある太平洋艦隊へのデルタIII級潜水艦Ryazanの30日間
の海氷下航海である。

Ryazanは、2008年8月1日に、弾道ミサイル、恐らくはSS-N-18(珍しくミサイル
タイプは公表されなかった)の、バレンツ海からのテスト発射に成功した。
このテストでは、弾頭は北ロシアを横断し、カムチャッカ半島のクラ試験場に
着弾した。

8月の終わりに、Ryazanは北方艦隊を出発し、氷に覆われたロシア北岸の海氷
の下を航行し、ベーリング海峡を通って南下し、ウラジオストックの弾道ミサ
イル潜水艦基地に9月30日に到着した。

軍備管理上の意味

オバマ政権は戦略核戦力の削減を提案しており、クレムリンはそれに好意的に
応えるようである。ちょうどその時、ロシアのSSBNが冷戦時代の習慣に復帰し
連続的な海上核抑止パトロールを実行するというのであれば、それは、とても
皮肉な事と思われる。

長射程核ミサイルを大規模な第一撃を耐えぬくために海洋の深みに隠す、連続
的なSSBNパトロールは、冷戦の最後の象徴の1つである。米国のSSBNは1980年
代のそれに相当するパトロール率を維持しており、フランスと英国も、両者が
先月衝突した事で明らかになった様に、常時1または、2隻を海上にしておこ
うとし続けている。そして、中国とインドもSSBN艦隊を建造しようとしている。

多くの人々は、SSBNは、純粋に報復的な武器であり、受動的に海に隠れている
と考えている。しかし、アメリカとロシアの核兵力がさらに削減され、そして、
中国とインドがSSBNクラブに加われば、前方配備された水中の核兵器は核軍縮
に最も挑戦的な問題の一つになるに違いない。

(FAS Strategic Security Blog 2009/2/17)


1月に英国とフランスの戦略ミサイル原潜(SSBN)が衝突事故を起こ
した事で、はしなくも、核大国が依然としてSSBNによる核抑止を実
施している事が明らかになりました。

このFASのブログのエントリーによれば、米国は冷戦時代と全く変
わりない戦略核抑止体制を引き続き実施しており、英国やフランス
も最低限の海上核抑止体制を維持しています。更に、中国やインド
という新興国もSSBNクラブに加入してくる事も予想しています。
(公然の秘密と言うべきでしょうが...。)

オバマ政権が戦略兵器の更なる削減を行おうとしている時にロシア
によるSSBNパトロールが復活する事は、確かに皮肉ではありますが
より皮肉な事は、各超大国が核軍縮を行えば行う程、中国やインド
と言った新興核保有国との核戦力格差が縮小していく事です。

中国やインドは、戦略兵器削減交渉の埒外ですから兵力拡大は自由
に行えます。現状では、米国は14隻、ロシアは11隻、中国は4
隻程度のSSBNを保有おり、その差は絶対的なものと言えます。しか
し、戦略兵器削減交渉で米ロがSSBNを半数に削減すると、米ロ各々
7隻、6隻の保有状況となり、中国の4隻と隻数では余り変わらな
くなってしまいます。

現時点では、弾頭数やMaRV化の度合い、射程等で、技術的には、大
きな格差があるものの、中国には追う側のメリットがあります。中
国が軍事費の拡大を続けていく限り、その差は急速に縮小していく
筈です。

つまり、米ロが戦略兵器削減交渉で大規模な核軍種を行えば行う程、
中国の核戦力が相対的に強化され、米ロ両国は、ますます、中国を
戦略的に無視できなくなる事になります。勿論、これは、インドに
ついても同様ですので、核戦力においても近い将来、世界は多極化
に向かい、つれて不安定さを増すと考えられるのです。


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2009年3月4日水曜日

エアバスA350の生産準備を加速


※画像はA350のサブアセンブリー担当会社の生産準備状況

エアバスA350とパートナー各社は生産準備を加速中

エアバスとそのヨーロッパと米国中に跨るプログラムパートナーは、A350 XWB
生産の開始に向け、工場の新設や既存基盤の拡張等の準備を加速している。
A350のために修正された生産フローでは、最終的なアセンブリを合理化するよ
うになっており、現在の生産プログラムより完成度の高い状態でトゥールーズ
にベルーガ(A350機材輸送専用機)で到着するようサブアセンブリーに要求して
いる。

A350の生産の大半は、エアバスのヨーロッパ各地の工場とフランスとドイツに
ある独立部門であるAeroliaとPremium Aerotechによって請け負われている。

トゥールーズではA330/A340用組立施設群の隣接地にA350製造施設の旗艦的存
在になる最終組立てラインの建設が、この1月から始まった。そして、フラン
ス、ドイツ、スペイン、英国、米国でも、この双発機の為の新しい工場の建設
が進行している。

「より効率性が高く、最適化された重複部分を持つ改善されたプロセスにより、
最終的な組立てラインとその前工程のリードタイムの30%の削減達成を目標と
している」と、A350生産計画管理担当責任者であるフィリップ・ローネー
が語っている。

彼は、A350のための一般的な方針は、サブアセンブリーが現状の他のエアバス
プログラムより「機材に関する統合度のより高いレベル」で、最終組立てライ
ンに届けられるということであると言う。

「中央高地(セントラル・プラトー)配置というのは、すべての製造と、エンジ
ニアリング能力が、サプライヤーのものも含め、1つの場所にある事を意味し
ており、これによって、より短いリードタイムで、プロセスを改善し、より効
率的なプロセスが提供可能となる。」と、ローネーは言う。

胴体前部製造プロセスは、サプライヤーの共同配置がどのように働くかという
一例である。米国にあるパートナー企業Spirit AeroSystems社はノースカロラ
イナ州キンストンの新しい工場で複合材料製胴体シェルを製作して、それをサ
ンナゼールのエアバス施設に隣接した自社の新しい専用の工場に出荷する。
そして、そこで、胴体シェルは完成され、エアバスに組み立て用として届けら
れる。「Spirit社は、2009年第2四半期にはサンナゼール工場の配置を確定さ
せる」と、ローネーは語っている。

(flightglobal 2009/2/13)


一時は、開発に圧倒的な差のあったBoeing787とAirbusA350ですが、
ボーイング社が、原型機の生産にもたつく間に、エアバス社は、ボ
ーイングの失敗を横目で見ながら、着々とA350の生産準備を進めて
いるようです。

両社の新しい生産工程は非常に良く似ています。両者共に世界中に
散在する下請け会社を活用する方針で、自社は最終アセンブリーし
か担当せず、最終組み立て行程では、トヨタのJust in Time方式に
準じた部品供給により最短時間で機体を組み立てていくというもの
です。

ボーイング社が、サブアセンブリーが終わった大きな部材を自社の
エバレットに集めるだけであるのに対し、エアバス社は、記事にも
ある通り、サブアセンブリー担当会社も、エアバス最終組み立て工
場の隣接地に工場を持ち、ここで完成品に仕上げてから、エアバス
に引き渡す方法です。

ボーイングの場合、エバレットに引き渡してから、サブアセンブイ
ーでの不具合が見つかった場合は、その場で修正しなければならな
いのに対し、エアバスの場合は、不良のある部材は、担当会社に返
却すれば良いのと、不具合の説明がその場で担当会社の担当技術者
にFace to Faceで行えるという強みがあります。

生産が軌道に乗った後では、あまり変わりないと言えますが、生産
の立ち上がりの時期には明らかにエアバスの方が、改善が素早く行
え、不良の修正は担当会社に任せられる点、利点が多いと考えられ
ます。

この辺りの生産方法は、インドの10万ルピーカーであるタタ社の
nanoでも、部材供給メーカーを自社工場隣接地に配置する方法を取
っており、エアバス方法との類似が見て取れる点、興味深く思われ
ます。



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2009年3月3日火曜日

「拉致はカネで」論理的には正しい。しかし.....



※写真は民主党関係サイトからの転載

「拉致はカネで」…危うさ露呈「小沢首相」、ささやかれる総・代分離論

2月上旬、都内で開かれた民主党議員と支持者による会合。党代表、小沢一郎
が発した言葉に会場は一瞬凍りついた。

「拉致問題は北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持っていき、
『何人かください』って言うしかないだろ」

日本人の人権と日本の主権を蹂躙(じゅうりん)した北朝鮮の犯罪をカネで決
着させる-。あまりにもドライな小沢発言は、当然のごとく、箝口(かんこう)
令が敷かれた。

外交・安全保障をめぐる小沢の「危うさ」が露呈し始めている。

2月24日、記者団に「米海軍第7艦隊で米国の極東の存在は十分だ」と語り、
波紋を広げた。「対等の日米同盟」を土台に、日本の防衛力増強を志向すると
受け取れる発言の真意を、側近は「安保論議を活性化させようとして投じた一
石だ」と代弁する。だが、党内にも「先を見据えない、浅はかな言葉だ」(幹
部)との批判が出ている。

「民主党に国民は不安も抱いている」。1月18日、民主党大会で国民新党代
表、綿貫民輔はこう指摘した。民主党が政権に王手をかけたいま、小沢が唐突
に繰り出す持論は、野党の足並みも乱している。
-以下略

(産経新聞 2009/3/02)

「拉致問題は北朝鮮に何を言っても解決しない。カネをいっぱい持
っていき、『何人かください』って言うしかないだろ」

拉致問題の解決方法は、基本的には二つしかありません。
一つは、日本が主体的に解決する方法であり、小沢氏が述べたカネ
で解決する方法です。
もう一つは、日本が主体的に解決するのではなく、経済制裁を続け
ながら、北朝鮮の体制崩壊を待つ方法です。

ソ連が衛星国を支配していた東欧圏とモンゴルは、ソ連の崩壊に前
後して体制崩壊が実現しましたが、残念ながら東アジアの共産圏は、
中心となる中国が、社会主義市場経済の採用という事実上の体制変
更を行っていながらも、共産党独裁体制を変えていないので、北朝
鮮やベトナムに見る様に体制崩壊は起こしてしませんし、最終的に
は中国の介入が予想される事から今後も起こる可能性は非常に少な
いと考えるべきかも知れません。

勿論、一見堅固に見える中国の共産党独裁体制も、ソ連のそれと同
様意外にあっけなく倒れる可能性があります。そうなれば、北朝鮮
でもかなりの高い確率で体制崩壊のドミノ現象は発生するかも知れ
ません。

とはいえ、現時点でそれがいつになるか判りませんから、拉致問題
を日本が「主体的に」解決するには、小沢氏の言う通り、「カネで
解決」しか方法がない事になります。最終的な解決になるかどうか、
また、拉致被害者の全員が帰ってくるかどうか判りません。死去し
た被害者の事情も不明のまま、巨額の経済援助という身代金が支払
われ、事件の再発防止すら口約束しか期待できないかも知れません。
しかし、それが現実なのです。ある日突然、米軍が北朝鮮を空爆す
るなどという幻想は発生しない事を肝に銘ずるべきなのです。

現憲法下では、国際間の紛争解決に武力は行使する事はできないの
ですから、それでも、拉致被害者が帰ってくるのであれば、日本と
しては、無力さを噛み締めながらでもそれを甘受するしかないので
す。日本国で北朝鮮による拉致を防止できなかった日本の体制の弱
さ故に発生した拉致事件の被害者を主体的に「救出するのか」、そ
れとも、北朝鮮の体制崩壊まで「放置するのか」が問われていると
換言できるのかも知れません。

ある意味で、小沢氏は、正直な政治家と言えるでしょう。北朝鮮と
の妥協を拒否する世論に従って問題が先送りにするのが一番政治的
な危険が少ないからです。加害者におべっかを使ってでも、拉致被
害者を救出するという選択は、国民の総スカンを引き起こす可能性
が極めて高いと言えますし、政治生命を絶たれるかもしれない選択
であるとも言えます。その様な凡百の政治家にはできない選択を小
沢氏が拉致被害者の生還の為に、強いて行うのであれば、小沢氏は
歴史に残る政治家であると言えるのかも知れません。

しかしながら、政治資金で後援会に不動産を購入させていた様な今
までの小沢氏の行動を見ていると、小沢氏には、そういう利他的な
行動を期待しがたく思われてならないのです。その点で、今回の発
言も、信念に基づく発言というよりも、拉致被害者よりも、寧ろ、
北朝鮮との国交回復に伴う経済援助の利権に力点の置かれたドライ
な考えの表れと考えた方が良いのかも知れません。
小沢氏の考えは確かに論理的には正しくはあるんですが....。



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2009年3月2日月曜日

インド国産空母「ヴィクラント」起工!


※写真はNHKサイトからの転載

印 初の国産空母建造へ起工式

急速な経済成長を背景に軍備の近代化を進めるインドが、初めての国産空母の
建造に乗り出し、28日、起工式が行われました。初めて建造される空母は、
排水量4万トン余り、全長260メートルで、戦闘機など30機を搭載できます。

インド南部、コチの海軍基地に併設された造船所で28日に行われた空母の起
工式には、アントニー国防相やインド海軍の関係者が出席しました。インド独
自の技術で初めて建造される空母は、排水量4万トン余り、全長260メート
ルで、戦闘機など30機を搭載できます。完成は5年後を目指しており、ロシ
アから新たに購入する予定の空母とあわせ、インド洋の海上交通路、いわゆる
シーレーンの安全確保を担うことになっています。インドが国産空母の建造に
乗り出す背景には、経済発展を続けるうえで欠かせない中東・アフリカ諸国か
らの石油の輸送路を守るだけでなく、同じく軍備増強を続ける中国が、海賊対
策でソマリア沖のインド洋に艦船を送るなど、南アジア周辺地域での影響力を
強めていることがあります。このため、インドとしては、空母の建造をあえて
公開することで、軍備の近代化をアピールし、中国をけん制するねらいもある
ものとみられます。

(NHKニュース 2009/3/1)

この処、中国の空母建造計画ニュース等でマスコミの関心が高まっ
ている事を感じさせられる報道です。このインド初の国産空母です
が、名前も決まっていて、ヴィクラント (Vikrant) と命名される
ことになっています。

ヴィクラントという名前はインド空母としては、二代目となります。
先代は、英国海軍のマジェスティック級軽空母ハーキュリーズで第
三次印パ戦争で活躍しましたが、1997年に老朽化が進んだ事から除
籍されています。

現在、インドは、これも英国海軍でフォークランド紛争時に活躍し
た、セントー級軽空母ハーミーズを改装したヴィラート(Viraat)を
保有しています。当初は、2000年代初頭に除籍される予定でしたが
ロシア海軍の航空巡洋艦アドミラル・ゴルシコフを、ロシアで改装
中のヴィクラマディティアの完成が大幅に遅延している事から10年
程度の延命工事を行っています。

延命されたヴィラートと2011~13年に完成するヴィクラマディティ
ア、2013年に完成予定の国産空母のヴィクラントとインドは、空母
三隻体制を構築する計画です。なお、艦命が長くないヴィラートに
代えてヴィクラントの同型艦が建造されるとの報道もあります。

ヴィクラントは、当初はフランスの CSN社が建造コンサルを行って
いましたが、途中でイタリアのフィンカンティエーレ社に交代しま
した。その為か、全体の印象はイタリアのヘリ空母である、イタリ
ア海軍の「ジョゼッペ・ガリバルディ」に似た印象を受けます。
ヴィクラマディティアと同様、ヴィクラントもSTOBAR方式
(Short Take-Off But Arrested Recovery) でロシア製のMig-29Kを
搭載する予定です。

このMig-29Kですが、ロシア海軍は、Su-33を艦載機に使用していま
すので、インド海軍のみが使用する機体となります。米軍には、艦
載機は陸上機として成功できるが、陸上機は艦載機として成功でき
ないという教訓があります。Su-33が艦載機として成功しているか
どうかは定かではありませんが、Mig-29Kが成功できるかどうかに、
インド空母の成功がかかっていると言っていいのかも知れません。
(尤も、Mig-29Kが成功しなかった場合は、最近の米印関係が良好な
事から、F-35が将来、空母艦載機に改めて選定される可能性も考え
られます。)

ヴィクラントは、珍しいX字型の飛行甲板レイアウトを採用してい
ますが、これはスキージャンプ式でもMig-29Kの発艦時には相当の
滑走距離が必要となる事によるものです。この為、ヴィクラントで
は、米海軍の空母の様な、アングルドデッキを生かした、離発艦同
時実施は、不可能となっています。

これ以外にも、ヴィクラントの建造に関しては、造船所設備問題等
各種のハードルがあります。その為、起工式も当初の2008年から約
半年の遅延になっています。ロシアで建造中のヴィクラマディティ
アにも同様の各種問題が発生しているのですが、その様な障害にも
係わらず断固として空母取得を推進しているインドの姿勢を我々は
重視するべきではないかと考える次第です。


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