2009年6月19日金曜日

米臨検への対応で明らかになる?北朝鮮は撃つ撃つ詐欺か?

※写真はロイターサイトより転載

ミサイル積載か 米軍、北朝鮮船舶「カンナム」を追跡 過去に兵器拡散活動

米海軍がミサイルや核関連物質を搭載した疑いのある北朝鮮船舶を追跡してい
ることが18日、明らかになった。米軍制服組トップのマレン統合参謀本部議
長は18日の記者会見で、「(北朝鮮への追加制裁を決めた)国連安全保障理
事会決議を積極的に実行するつもりだ」と述べ、具体的言及は避けたが、追跡
していることを事実上認めた。

北朝鮮による武器輸出の全面禁止や貨物検査などを盛り込んだ12日の制裁決
議採択後、大量破壊兵器を積んだ疑いがある北朝鮮船舶の初めての動きだけに、
寄港先となる国の対応が注目される。

FOXテレビなどによると、船の名称は「カンナム」。行き先は明らかになっ
ていないが、17日に北朝鮮の港を出航し、シンガポール方向に向けて航行中。
過去にも北朝鮮の大量破壊兵器の拡散活動に使われてきた船舶だという。
2006年10月、香港海事局は北朝鮮の貨物船「カンナム1号」と姉妹船で
ある「カンナム5号」を安全設備に不備が見つかったとして、出港を認めない
強制措置を取った。「カンナム1号」は07年5月にミャンマーに入港したこ
とが確認されている。北朝鮮とミャンマーは同年4月、国交を回復しており、
北朝鮮からの武器輸出の可能性が指摘されていた。
米軍が今回追跡している船舶が「カンナム1号」かどうかは不明だ。
マレン議長は北朝鮮の船舶が米軍による検査を拒否した場合の対応について、
安保理決議で強制的な乗船は認められていないため、最寄りの港に向かうよう
指示し、寄港地の国が船舶検査を実施することになると説明した。

(産経新聞 2009/6/18)


さて、いよいよ北朝鮮の決意が試されるシチュエーションが近づい
てきました。「カンナム」の目的地は、現時点では判りません。ミ
ャンマーである可能性が強いと言いますが、中東方面かも知れませ
ん。それに対し、米海軍は、記事にもある通り、「カンナム」に近
寄って、船舶検査の為、最寄の港湾へ向かう様に指示する事になり
ます。

実は、この船舶検査や臨検は、北朝鮮が一番嫌がっている事の一つ
です。北朝鮮が韓国のPSI参加に対して「PSI参加が武力衝突と全面
戦争へとつながるのは時間の問題だ」とまで、論評したのもPSIが
臨検を含むものであった事によるものと考えられてきました。

北朝鮮は、6月13日の安保理決議に対する外務省声明の中で、
「米国とその追従勢力が封鎖を試みた場合、戦争行為と見なし、断
固軍事的に対応する。」と言明しており、臨検もそれに含まれると
していました。今回、米海軍が、船舶検査を試みた場合、それを北
朝鮮が臨検と見なすかどうかが問題になります。

米軍の行動に対応した反応を北朝鮮がどの様な形で見せるのかで、
北朝鮮のエスカレーションに関してどの程度の決意をしているのか
その程度が推測できるのではないかと思われるのです。

今まで、北朝鮮は、声明や発表の上では、激烈な言葉を頻発させて
いますが、実際の行動では、意外に慎重に振舞っています。例えば、
6/18に、日本海で、北朝鮮艦船が、NLLに接近しましたが、韓国軍
の警告を受けて引き返しています。元々北朝鮮はNLLを認めていま
せんから、国連決議以降もっと大胆に行動しても良さそうなもので
す。また、短距離ミサイルの発射に関して、国際ルールに沿った航
行情報を出していると言う報道もあります。そういう具合で事実と
しては、色々とブラフは行っているものの決定的な行動は避けてい
る様に見えるのです。

その一方で、報道によれば、北朝鮮は、現在、テポドン2号2基、
ノドン一基の計三基のミサイルの発射準備を進めているという報道
があります。

北朝鮮がエスカレーションを避けるのであれば、米海軍の行動に対
して、攻撃的な声明を行うだけで、実際の行動は避ける筈です。
それに対し、対決する決意があるのであれば、より積極的な行動を
とってくると思われます。

最初に述べた様に、北朝鮮の船舶が輸送しているものは、武器以外
にも、核開発関連物質や、ニセドル札、麻薬、覚醒剤、ニセ煙草と
言った表ざたになった場合、北朝鮮の評価や面子を失わせる様なも
のが含まれているのは、まず間違いありません。

その様な点からも、ここ数日の北朝鮮の反応に当分目が離せないと
思われるのです。


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2009年6月18日木曜日

「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」(余)

※写真は中国の移動式ミサイルの発射シークエンス

最初は三回で終了する予定でしたが、要約部分が字あまりになって
しまいましたが、「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」はこれで
全訳終了です。
今、pdfファイルにする準備を進めています。
原典にあってブログに載せられなかった写真や図なんかもpdfでは
全部ではありませんが復元したと思っています。
ミサイルを調べる時の基礎的な資料として使って頂ければ幸いです。

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SUMMARY(要約)
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弾道ミサイルはすでに広範囲にわたって使用されており、今後とも数的にも多
様性も増加し続けるだろう。弾道ミサイルで使用する目的で大量破壊兵器を入
手する事が可能になる事で、この脅威の重要性は著しく増加する。ロシアの戦
略ミサイル戦力が量的には縮小しているにもかかわらず、ロシアは、恐らく、
合衆国以外では最も大きな戦略弾道ミサイル戦力を保持し続けるだろう。新し
い弾道ミサイルシステム(SS-27 ICBMとSS-N-23 Sineva、及び
SS-NX-32/Bulava-30 SLBM)の開発には、高い優先順位が与えられている。
ロシアの当局は、新しい種類の極超音速飛行体が、戦略弾道ミサイルとして、
ミサイル防衛システムを突破するために開発されていると述べている。ロシアは、
また、新型のイスカンダール-E SRBMを輸出しようとしている。

中国は先進的な技術の弾道ミサイルを生産しており、弾道ミサイル技術を他の
国に売り込んでいる。中国は、非常に大きな戦域ミサイル配備計画があり、台
湾の隣接地に弾道ミサイルの大きな戦力を展開している。中国は、この戦力の
到達範囲を拡大しており、将来の地域紛争に外国が関与するのを防ごうと試み
ている。中国は既に、ICBMの比較的小さな戦力で合衆国を目標にできているが、
今後、中国のICBM戦力は、相当程度、成長すると見込まれる。

北朝鮮はテポドン2 ICBM/人工衛星打上ロケットの開発を続けており、IRBMの
開発も行っている。北朝鮮は弾道ミサイルシステムを輸出しており、今後も恐
らくそれを続けると思われる。

LACMの拡散は、今後十年で更に拡大する。少なくとも九ヶ国が、LACMの生産に
関与している。大多数の新しいLACMは、非常に正確で、通常弾頭を装備してお
り、輸出も可能である。ミサイルが通常弾頭しか装備していなくても、多くの
LACMの高い正確性は、目標に重大な損傷を負わせる事ができる。合衆国の防衛
システムは、多方向から同時に目標を攻撃する低空飛行のステルス型巡航ミサ
イルによって、非常に圧迫を受けるに違いない。

弾道ミサイル及び巡航ミサイルは、比較的低い運用経費、防御システムを突破
する可能性、及び国力の象徴として価値から、多くの国で攻撃用兵器として選
択され続けるだろう。それ故に、将来の軍事計画と作戦において慎重に考慮さ
れなければならない脅威であると言える。


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2009年6月17日水曜日

「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」(下)



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INTERCONTINENTAL BALLISTIC MISSILES(大陸間弾道ミサイル)
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ロシアはICBMに2000個の核弾頭を保持しており、これらのミサイルの殆どは警
戒待機態勢に置かれ、命令があれば数分以内に発射できる状態が維持されてい
る。ロシアのICBM戦力の規模は軍備制限協定や、ミサイルの老朽化、資源制約
のため、減少し続けるが、ロシアは、おそらくアメリカ合衆国外で最大のICBM
戦力を保持し続けると思われる。戦力を維持し、近代化する努力は、進行中で
ある。弾道ミサイル防衛システムに対抗できる設計のSS-27 Mod 1 ICBMは、現
在5つのミサイル連隊(ミサイル48基)で、サイロ配備されている。ロシアは、
2006年にSS-27 Mod 1の道路移動タイプの配備を開始した。MIRV化されたバー
ジョンのSS-27(SS-27 Mod-X-2(RS-24))は、現在、開発中で飛行試験段階
にある。それに加え、ロシアの当局者は、極超音速で飛行し、ミサイル防衛シ
ステムを突破する新しい種類の戦略ミサイルを開発していると主張している。
1994年12月に効力を発した戦略兵器削減交渉(START I)条約は、ロシアと合
衆国が、各々6000個(ICBM、SLBM、重爆撃機を含む)を超えない弾頭数しか保
有しない様に制限している。2002年の戦略攻撃力削減についてのモスクワ条約
では、2012年末までにロシアと合衆国が各々1,700~2,200の配備された弾頭し
か持たない様に制限している。

中国のICBM戦力は、戦略的な核抑止力の実現を意図している。中国は核武装し
た、液体燃料推進で射程に制限のあるCSS-3 ICBMと、合衆国に到達可能なCSS-4
ICBMの比較的小さな戦力を保有している。しかし、中国は、先進的な新型の移
動式で固体燃料推進のICBMの開発と配備を進めている。

道路移動式で、固体燃料推進の、CSS-10 Mod 1と長射程のCSS-10 Mod 2の両方
が、第二砲兵部隊内で数単位配備された。道路移動式ICBMの配備は、中国の戦
略ミサイル戦力の生存性を強化する。
CSS-10 Mod 1はヨーロッパとアジアの全域及びカナダと合衆国北西部の一部を
射程に収めている。より長い射程のCSS-10 Mod 2は合衆国大陸部の殆どを目標
とする事ができる。中国は一部のICBM用にMIRV弾頭を開発することができよう。
そして、合衆国を脅かすことができる中国のICBMの弾頭の数は、次の15年で
100を軽くオーバーする数に増加することになるだろう。

北朝鮮はテポドン2(TD-2)ICBM兼衛星打上ロケットを開発している。そして、
ICBMとして開発されるならば、それは合衆国に到着できる性能を持つ。TD-2の
二回の発射実験は失敗に終わったが、2009年4月の飛行は2006年7月の発射時と
比べ、より完全な性能を示した。

TD-2の開発で示された北朝鮮の継続的な進歩は、長射程弾道ミサイルと人工衛
星打上能力を保有する事への決意を明白に示している。テポドン2は、将来他
の国に輸出されるに違いない。

イランには野心的な弾道ミサイルと人工衛星打上ロケットの開発計画がある。
そして、十分な外国の援助があれば、イランは、2015年までに合衆国に到達す
る事が可能なICBMを開発しテストすることができると思われる。


■ 性能
ミサイル名 段数 弾頭数 推進剤 発射機 最大射程(マイル)* ランチャー数
ロシア
SS-18 Mod 4 2+PBV 10 液体 サイロ 5,500+ 104基
SS-18 Mod 5 2+PBV 10 液体 サイロ 6,000+ (Mods 4 & 5の合計)
SS-19 Mod 3 2+PBV 6 液体 サイロ 5,500+ 122基
SS-25 3+PBV 1 固体 道路移動 7,000 201基
SS-27 Mod 1 3+PBV 1 固体 サイロ又は道路移動 7,000 54基
SS-27 Mod-X-2 3+PBV 複数 固体 サイロ又は道路移動 7,000 配備未済

中国
CSS-3 2 1 液体 サイロ又は移動式 3,400+ 10基から15基
CSS-4 Mod 2 2 1 液体 サイロ 8,000+ 約20基
CSS-10 Mod 1 3 1 固体 道路移動 4,500+ 15基以下
CSS-10 Mod 2 3 1 固体 道路移動 7,000+ 15基以下

北朝鮮
Taepo Dong 2 2 1 液体 不明 3,400+ 配備未済
Note: 射程距離は全て概算
* この推計には、PBVによる射程距離延長が含まれていない。いくつかのPBVは、
射程距離を延長する能力を持つ。

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SUBMARINE-LAUNCHED BALLISTIC MISSILES
(潜水艦発射弾道ミサイル)

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ロシアは、大陸間ミサイルの射程を持つ原子力弾道ミサイル潜水艦(SSBN)の
相当な戦力を維持している。ロシアは、冷戦時代の老朽化したシステムに代え
て、新しく、且つ改善されたSLBM兵器システムを開発している。Sinevaと名づ
けられた新ミサイルは、デルタIV級SSBNの既存のSS-N-23を置き換えることを
目的としている。NX-32/Bulava-30 SLBMは、主として新しいドルゴルキー級
SSBNへの配備を目的とした新しい固体燃料推進のSLBMである。ロシアのSLBMは、
浮上中や潜航中のSSBNから、色々な発射場所で、発射可能である。

中国は、現在、12基のCSS-NX-3/JL-1ミサイルを搭載する事を目的とする夏級
SSBNしか保有していない。それに加え、中国は12基のCSSNX-14/JL-2 SLBMを搭
載した新型の晋級SSBNを配備する予定である。このミサイルは、初めて、中国
沿岸のSSBMの行動区域から合衆国の大部分を目標とする事ができる。

インドは、2つの新しい海軍用のシステムを開発している。2010年以降に使用
可能となる見込みのSagarika SLBMと、Prithvi陸上基地発射弾道ミサイルの海
軍バージョンであるDhanush海上発射型弾道ミサイルである。
Dhanushは、インドの海軍水上艦艇からの海上発射飛行試験を実施中である。


■ 性能
ミサイル名 段数 弾頭数 推進剤 搭載潜水艦 最大射程(マイル)* 発射筒数
ロシア
SS-N-18 2+PBV 3 液体 デルタIII 3,500+ 96基
SS-N-20 3+PBV 10 固体 タイフーン 5,500+ 40基
SS-N-23/Sineva 3+PBV 4 液体 デルタIV 5,000+ 96基
SS-NX-32 3+PBV 6 固体 ドルゴルキー 5,000+ 16基 配備未済
(Bulava) (ボレイ)
タイフーン 20基 配備未済

中国
CSS-NX-3/JL-1 2 1 固体 夏 1,000+ 12基 配備未済
CSS-NX-14/JL-2 3 1 固体 晋 4,500+ 12基 配備未済

インド
Sagarika 不明 不明 不明 不明 180+ 不明 配備未済

Note: 射程距離は概算


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LAND-ATTACK CRUISE MISSILES(陸上攻撃巡航ミサイル)
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弾道ミサイルとは異なり、巡航ミサイルは通常、使用目的と最大射程の替わり
に発射モードによって分類される。最も幅広いカテゴリー分けは、陸上攻撃巡
航ミサイル(LACM)と対艦巡航ミサイル(ASCM)である。各々のタイプは、
航空機、艦艇、潜水艦または地上に置かれた発射機から発射する事ができる。
この文書ではLACMについて述べる。

LACMは、無人の武装した飛行体で、固定された、あるいは移動する陸上目標を
攻撃するよう設計されている。それは、予め定められた目標へ前もってプログ
ラムされた飛行経路を飛行するが、任務中の大部分の時間を水平飛行に費やす。
推進力は、通常小型ジェットエンジンによって提供される。
目標の2、3フィート以内にミサイルを命中させる事ができる非常に精密な誘
導装置を装備している事から、最も先進的なLACMは、通常弾頭で武装したとき
でも、非常に小さな目標に対しても効果的に使用する事ができる。LACMの誘導
は、通常3つの段階で行われる。発射時と、飛行中と終末の三段階である。発
射段階では、ミサイルは慣性航法装置(INS)だけを使って誘導される。飛行
段階では、ミサイルは以下のシステムの一つ以上によって更新されるINSで誘
導される。レーダーに基づく地形照合システム(TERCOM)、レーダーまたは光
学的場面照合システム、それと衛星航法システム(例えば合衆国の全地球位置
測定システム(GPS)またはロシアのGLONASSシステム。)
終末誘導段階はミサイルが目標域に入り、より正確な場面照合が使用されるか
目標探知器(通常光学的であるかレーダーに基づくセンサー)が使用される段
階から始まる。

LACMに対する防衛は、対空防御システムに圧迫を加える事になる。巡航ミサイ
ルは、敵のレーダー覆域の下方にとどまり、場合によっては、地形の陰に隠れ
る事ができる様に低高度を飛行できる。より新しいミサイルは、レーダーや赤
外線検出器からも見えない様にするステルス機能を取り入れている。最新の巡
航ミサイルは、最も効率的な方法で目標に接近し、攻撃するようにプログラム
されている。例えば、防空システムを最も弱い部分で圧倒する様に、複数のミ
サイルで同時に異なる方向から目標を攻撃することができる。さらに、LACMは
レーダーと防空施設を避けるように回り道のルートを飛行し目標を攻撃する機
能を持つ。それでも隠蔽が巡航ミサイルの主要な防御手段ではあるが、いくつ
かの開発中のシステムでは、チャフやデコイ(囮)と言った防御層を加えている。

米軍に対する巡航ミサイルの脅威は、次の10年間増加すると思われる。少なく
とも9つの国が次の10年の間にLACMの生産に関与する。そして、LACM製造業者
のいくつかはそれらのミサイルを輸出可能とするだろう。
米国のトマホーク巡航ミサイルの成功は、多くの国で巡航ミサイル獲得に対す
る関心を高めた。購入可能な多くの巡航ミサイルは、精密攻撃任務を果たす可
能性がある。これらのミサイルの多くには、類似した特徴がある。それらは、
モジュール設計(航法機能や弾頭を選択可能とする様に製造する)、ステルス
技術の適用、戦闘機サイズの航空機から発射できる能力、そして、高亜音速で、
低高度を、地形追随しながら飛行する能力などである。


■ 性能
ミサイル名 発射モード 弾頭タイプ 最大射程(マイル)* 配備開始

中国
YJ-63 空中発射 通常 不明 不明
DH-10 不明 通常又は核 不明 不明

フランス
APACHE-AP 空中発射 子弾頭 100+ 2002
SCALP-EG 空中または艦船 貫通体 300+ 2003
Naval SCALP 潜水艦/水上艦 貫通体 300+ 2010+

アラブ首長国連邦
BLACK 空中発射 貫通体 250+ 2006
SHAHEEN*

ドイツ、スウェーデン、スペイン
KEPD-350 空中発射 貫通体 220+ 2004

インド、ロシア
Brahmos-A 空中発射 通常 150+ 2010+

イスラエル
Popeye Turbo 空中発射 通常 200+ 2002

パキスタン
RA'AD 空中発射 通常又は核 200 不明
Babur 陸上 通常又は核 200 不明

ロシア
AS-4 空中発射 通常又は核 185+ 運用中
AS-15 空中発射 核 1,500+ 運用中
SS-N-21 潜水艦 核 1,500+ 運用中
Kh-555 空中発射 通常 不明 不明
New GLCM 陸上 通常 300以下 不明
3M-14E 水上艦/潜水艦/陸上 通常 185+ 不明

南アフリカ
MUPSOW 空中/陸上 通常 125+ 2002
Torgos 空中/地上 通常 185+ 2006+

台湾
Wan Chien 空中発射 通常 150+ 2006
HF-2E 陸上 通常 不明 不明

英国
Storm Shadow 空中発射 貫通体 300+ 2003
Note: 全ての射程距離は概算。射程距離はミサイル本体のみ。発射形態によっ
ては、システムとしての射程距離は大きく伸延する。
*BLACK SHAHEENはSCALP-EGの輸出タイプ


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2009年6月16日火曜日

ロシアも独自のミサイル防衛網で北朝鮮のミサイル攻撃に対応か?

※S-400対空ミサイルシステム
http://www.defencetalk.com/russia-s400-air-defense-systems-victory-day-18601/
より転載

極東に対空ミサイル ロシア、北への警戒強める

インタファクス通信によると、ロシアのノゴビツィン参謀本部次長は十一日、
最新鋭の対空ミサイル「S400」を極東地域に配備する考えを示した。
モスクワなど大都市を除く地方での同ミサイル配備は初。北朝鮮の二回目の核
実験実施や、新たな弾道ミサイル発射の兆候を見せていることなどを強く警戒
した措置とみられる。
ロシアは、北朝鮮が核保有国となることへの懸念を強めており、十一日に合意
に達した北朝鮮の核実験に対する国連安保理の制裁決議案の協議でも、消極的
対応から強硬姿勢に転換。オバマ米政権との協調を重視するロシア政権の思惑
も背景にあるが、核開発を加速する北朝鮮の脅威が最大の理由だ。
一方で、ロシアは、制裁強化による北朝鮮の暴走も懸念。ロシア外務省筋は同
日、タス通信に「決議は問題解決のために必要だが、北朝鮮が緊張を高める行
動を取らないことを望む」と述べた。
S400は、ロシア版ミサイル防衛(MD)の主力ミサイルとされ、モスクワ
とサンクトペテルブルク近郊にも配備されている。

(東京新聞 2009/6/12)


北朝鮮のミサイルと核開発に対抗する為に、日本はミサイル防衛網
の構築を進めている訳ですが、あれだけ北朝鮮の肩を持っていたロ
シアも冷静に北の核ミサイルに対する対抗手段の構築を進めている
ようです。

ロシアは元々、米国とのABM(弾道弾迎撃ミサイル)条約に基づきモ
スクワを防衛するABMとしてガロッシュ迎撃ミサイルを配備してい
ました。米国でも一時期、ABMが配備されましたが、その後撤去され
ています。一方、ソ連/ロシアではそれを維持し、現在は、ABM-3
(ロシア名はA-135)システムを導入しています。このシステムは、
核弾頭装備のシステムですが、ロシアは、これに加え、通常弾頭で
弾道ミサイル迎撃能力を持つ対空ミサイルS400の生産と配備を行っ
ています。

このS400は、2003年から配備が開始された最新型の対空システムで
近距離から遠距離(400km)まで、地上5mから高度30kmまで、UAVやス
テルス機から弾道ミサイルまでを迎撃対象とする優れものであり、
WikipediaやGlobalsecurityの情報を読む限り、パトリオットを凌
駕する性能を持ってる様に思われます。

記事によれば、現在S400が配備されているのは、モスクワとサンク
トペテルブルグですが、北朝鮮が核ミサイルを配備した時にその目
標となる極東地区にも配備するというものです。
元々ロシアは、現在多数のシステムを保有している対空ミサイルシ
ステムの簡素化を推進しており、その大きな柱となっているのが
S400ですから、極東地区の対空ミサイルもいずれS400に切り替えら
れる予定ではあったろうと思われますが、北朝鮮の核開発の進展に
よって優先順位が変更されたのだと思われます。

S400は大量生産が予定されているので調達コストはかなり低くなる
と思われますが、それにしても、最新の対空システムですから大き
な費用を要する事に間違いありません。ロシアが北朝鮮の事を本当
に信頼できる国と考えているのであれば、その様な費用負担は不要
である筈です。しかし、表面上の北朝鮮の友好国としての顔の下で
ロシアは、最悪の事態を想定し、北朝鮮との関係がいつ険悪化して
も良い様にする対策をとっていると言えると様に思われます。


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2009年6月15日月曜日

「弾道ミサイル及び巡航ミサイルの脅威」(中)



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BALLISTIC MISSILES(弾道ミサイル)
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作戦可能な弾道ミサイルは、サイロや潜水艦や陸上を移動する発射台に配備さ
れている。移動式のミサイルは、隠すことができ、それにより生存性を大幅に
高める事ができるので、多くの国で好まれている。
多くの短距離弾道ミサイルでは、弾頭が爆発するまで、ミサイルの形状は発射
時のままである。長距離弾道ミサイルでは、弾頭は分離された再突入体に含ま
れる。いくつかの長距離弾道ミサイルは、MIRV(複数個別誘導再突入体)を装備
しており、ミサイル一基につき10個程度の再突入体(RV)が備えられている。再
突入体は、地球の大気圏に、ICBMの場合、一秒間に4~5マイルという非常な
高速で再突入する。
弾道ミサイルでは、固体燃料または液体燃料がロケットの推進システムとして
用いられる。近代的なミサイルシステムは、補給面での要請と運用の単純化の
為に、固体燃料が使用される傾向にある。しかしながら、いくつかの第三世界
諸国では、液体燃料技術を入手するのがより容易である事から、新しい液体燃
料ミサイルの開発が続けられている。

多段式ミサイルは、各々独立した推進システムが各段階にあるので、長距離作
戦に対して適している。
ICBMは通常、二ないし三段式で、目標に対し搭載物を推進する為に、強力な液
体燃料エンジンや固体燃料モーターを装備しており、ポスト・ブースト・ビー
クルには、もっと小さな推進システムが装備されている。ポスト・ブースト・
ビークルは単弾頭ミサイルの場合には再突入体の命中精度を改善し、MIRVを搭
載しているミサイルの場合には、再突入体が別々の目標に命中する様に、各々
異なった軌道を取る為に発射されるのに用いられる。いくつかのMIRVミサイル
は、一つのミサイルで1000マイル以上離れた目標を攻撃する事ができる。

高度の慣性誘導システムを備えた弾道ミサイルは、6000マイルを飛行した後で
目標の200~300フィート以内に再突入体を運搬する能力がある。多くのミサイ
ルで、衛星航法誘導の活用によって正確性が飛躍的に改善された。また、ミサ
イルには、非常に高い正確性を達成する為の終末センサーを持つ機動再突入体
(MaRV)を使用する事ができる。

より近代的な誘導技術が拡散したので、各国は、ミサイル戦力の正確性と致死
性を改善する事ができる。しかしながら、大きな都市を直撃する程度の正確性
をもつミサイルであっても、大量破壊兵器を装備した場合には大量の犠牲者を
負担させる事ができる。

多くの弾道ミサイルは再突入体に弾道ミサイル防御システムをくぐり抜けさせ
る事を目的にした侵入補助機能を装備している。侵入補助機能とは、ミサイル
や再突入体を探知、追跡するセンサーを欺瞞したり、無効化する事を目的とし
た装置である。侵入補助機能は、弾道ミサイルを開発したり運用したりしてい
る国々で重要性を増している。

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SRBM 短距離弾道ミサイル
射程 1,000 km以内 (621 mi)

MRBM 準中距離弾道ミサイル
射程 1,000-3,000 km (621-1,864 mi)

IRBM 中距離弾道ミサイル
射程 3,000-5,500 km (1,864-3,418 mi)

ICBM 大陸間弾道ミサイル
射程 5,500 km以上 (3,418 mi)

SLBM 潜水艦発射弾道ミサイル
射程に関わらず潜水艦から発射される弾道ミサイルは全て

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SHORT-RANGE BALLISTIC MISSILES(短距離弾道ミサイル)
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何ヶ国かは、現在でもSRBM(短距離弾道ミサイル)システムを生産するか開発す
るかしているが、他の多くの国では、ミサイル製造メーカーからミサイルやミ
サイル技術を購入している。新しいSRBMシステムが数ヶ国で開発されている。
中国は、台湾に近接する地域で近代的な固体燃料推進のSRBMの大きな戦力を展
開している。
ロシアのSCUD Bとも呼ばれているSS-1c Mod 1は、他のいかなる種類の誘導ミ
サイルよりも多くの国に輸出されており、広い用途で使用可能な適合性の高い
兵器であると認められている。
例えば、イラクのSCUDミサイルは1991年の湾岸戦争で使用されたが、射程距離
を二倍にする様に改造された。北朝鮮は独自のタイプのSCUD BやSCUD Bの射程
を延長させたSCUD Cを生産している。

SCUDは、もともと戦術戦場支援兵器として設計されたが、多くの国は、SCUDや
他のSRBMシステムを都市に対して使用される戦略兵器とみなしている。イラク
は、イラン・イラク戦争と1991年の湾岸戦争に戦略兵器として、射程距離延長
型のSCUDミサイルを使用した。他の国は、SCUDの正確性を大幅に向上させて、
価値の高い軍事目標や都市に対して利用するために改造した。最近の紛争では、
ミサイル防衛能力について関心が集まっており、ミサイル防衛能力の開発に対
する継続的な誘因を提供している。そして、それは、弾道ミサイル開発者には
ミサイル防衛対抗策を追求する動機を与える事になっている。一部のSRBM開発
者はすでにミサイル弾頭を機動させる様な対抗策を開発し始めており、対抗策
の開発継続が期待されている。

■性能
ミサイル名 推進剤  発射機 最大射程(マイル)
ロシア
SCUD B 液体 道路移動 185
(SS-1c Mod 1)
SS-1c Mod 2 液体 道路移動 150+
SS-21 Mod 2 固体 道路移動 43
SS-21 Mod 3 固体 道路移動 75
SS-26 固体 道路移動 185+
Iskander-E 固体 道路移動 170+

中国
CSS-6 Mod 1 固体 道路移動 370
CSS-6 Mod 2 固体 道路移動 550+
CSS-6 Mod 3 固体 道路移動 450+
CSS-7 Mod 1 固体 道路移動 185
CSS-7 Mod 2 固体 道路移動 370
CSS-8 第一段:固体 道路移動 93
第二段:液体
B611 固体 道路移動 93

北朝鮮
SCUD B 液体 道路移動 185
SCUD C 液体 道路移動 310
Toksa 固体 道路移動 75
ER SCUD 固体 道路移動 435-625

インド
Prithvi I 液体 道路移動 93
Prithvi II 液体 道路移動 155
Dhanush 液体 艦載 250
Agni I 固体 道路移動 435

パキスタン
Hatf-1 固体 道路移動 50
Shaheen I 固体 道路移動 280+
Ghaznavi 固体 道路移動 250

イラン
Fateh-110 固体 道路移動 120+
Shahab I 液体 道路移動 185
Shahab II 液体 道路移動 310
CSS-8 固体/液体 道路移動 93

シリア
SCUD D 液体 道路移動 435
Note: 全ての射程距離は概算

■ランチャー数と戦闘序列

国名
ミサイルシステム ランチャー数*

ベラルース
SS-21s/SCUDs 100基以下
カザフスタン
SS-21s/SCUDs 50基以下
シリア
SS-21s/SCUDS 100基以下
中国
CSS-6/CCS-7 200基以上
リビア
SCUDs 100基以下
トルクメニスタン
SCUDs 25基以下
エジプト
SCUDs/SS-1 25基以下
北朝鮮
Toksa/SCUDs 100基以下
ウクライナ
SS-21s/SCUDs 200基以下
インド
Prithvi-I/II 50基以下
Agni I 25基以下
パキスタン
Ghaznavi/Shaheen-1 50基以下
ベトナム
SCUD-Bs 25基以下
イラン
CSS-8/Fateh-110/SCUDs 100基以下
ロシア
SCUDs/SS-21/SS-26) 200基以下
イエメン
SRBMs(SCUD/SS-21s) 25基以下

*ミサイル保有数はランチャー数よりもはるかに多い。
これは、ミサイル発射後ランチャーが再利用される
事による。

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MEDIUM-RANGE & INTERMEDIATE-RANGE BALLISTIC MISSILES
(準中距離弾道ミサイルと中距離弾道ミサイル)

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新しいMRBM(準中距離弾道ミサイル)やIRBM(中距離弾道ミサイル)システムは、
中国、北朝鮮、イラン、インドとパキスタンで開発されている。これら戦略的
なシステムであり、そして、ほとんどは非通常弾頭を装備している。イラン以
外のこれらの国は、全て、核実験を行っている。ロシアも合衆国も1988年に効
力を発生した中距離核戦力(INF)条約によって禁止されているのでMRBMもIRBM
も生産したり、保持していない。中国は、非常に活発にMRBMの開発を行ってい
る。中国の長期的、且つ広範囲の戦力変革では、戦力展開能力を向上させてお
り、中国の弾道ミサイルは、台湾が関係するどの様な将来の対立においても、
外国の軍隊の紛争地域へのアクセスを拒否する中国の努力で鍵となる役割を担
っている。中国は、地域の核抑止力のために、現在、核装備のCSS-2、CSS-5
Mod 1、CSS-5 Mod 2を配備ている。中国は、より長射程で精密な攻撃を行うた
めの、新しい通常弾頭のMRBMも調達している。これらのシステムは、補給拠点
や地域的な飛行場や港湾を含む軍事基地を脅かすか、または攻撃する事を目的
としている様に思われる。特筆すべきは、中国はCSS-5の派生型を基にした
対艦弾道ミサイル(ASBM)を開発している事である。

北朝鮮には野心的な弾道ミサイル開発計画があり、ミサイル技術をイランとパ
キスタンを含む他の国に輸出している。北朝鮮は、核兵器を保有している事を
みずから認めている。北朝鮮のテポドン1は1998年8月に衛星を軌道に乗せる
試みに使われた。小さな第三段が衛星を軌道に乗せる事に失敗したが、二段式
のブースターは明らかにうまく作動した。テポドン1は、長射程ミサイル開発
のために必要な技術を北朝鮮が持っている事を示している。北朝鮮は、開発中
のIRBMを持っている。このシステムは、他の国に輸出されるに違いない。

イランには広範囲なミサイル開発計画があって、ロシア、中国と北朝鮮の機関
からの援助を受けている。イランのShahab 3 MRBMは、北朝鮮のノドンミサイル
を基にしている。イランは、その射程と有効性を拡張するために、Shahab 3を
改良した。イランは、2004年にShahab 3の改良版をテストしたと主張している。
それに続くイランの当局の声明では、改良されたShahab 3の最大射程は1,250
マイルであり、イランにはShahab 3ミサイルを大量生産する能力があることを
示唆している。2008年には、イランは2,000km射程の二段式固体推進MRBMの発
射テストを二回実施している。2008年後半と2009年前半には、多段式宇宙打上
ロケットSafirを発射したが、それは長射程弾道ミサイル技術のたたき台とし
ても用いる事ができるものだった。そして2009年のテストでは、衛星を軌道に
乗せる事に成功した。Safirは弾道ミサイルとして使われるならば、恐らくIRBM
としての射程を達成することができるだろう。

インドは、その弾道ミサイルを開発し、改善し続けている。インド当局は、固
体燃料推進のアグニII MRBMが配備準備ができたと述べている。新しい固体燃
料推進のアグニIII IRBMは、2006年以降三回、飛行テストを実施されている。
インドのミサイル開発者は、射程3,000~3,700マイルのICBMを製造する能力が
あると述べている。

パキスタンは、ミサイルの実射試験を含む実地訓練を通じて、陸軍戦略軍コマ
ンドと個々の戦略ミサイルグループの即応性と能力の改善を続けている。
パキスタンは2004年以降六回その固体燃料推進のシャヒーン2 MRBMをテスト
しており、このミサイルシステムは、恐らく、すぐに配備されると思われる。

■性能
ミサイル名 段数 推進剤 発射機 最大射程(マイル) ランチャー数*

中国
CSS-2 1 液体 移動可能 1,900 5基~10基
(限定的な移動性)
CSS-5 Mod 1 2 固体 道路移動 1,100+ 50基以下
CSS-5 Mod 2 2 固体 道路移動 1,100+ 50基以下
CSS-5 通常型 2 固体 移動式 1,100 30基以下
CSS-5 ASBM 2 固体 移動式  900+ 配備未完了

サウジアラビア (中国製造**)
CSS-2** 1 液体 移動可能 1,750 50基以下
(限定的な移動性)

北朝鮮
No Dong 1 液体 道路移動 800 50基以下
IRBM 1 液体 移動式 2,000+ 50基以下

インド
Agni II 2 固体 線路移動 1,250+ 10基以下
Agni III 2 固体 線路移動 2,000+ 配備未完了

パキスタン
Ghauri 1 液体 道路移動 800 50基以下
Shaheen II 2 固体 道路移動 1,250+ 不明

イラン
Shahab 3 1 液体 道路移動 800 50基以下
(全派生型込)
Shahab 3派生型 1 液体 道路移動 1,200+
新型MRBM 2 固体 道路移動 1,200+ 配備未完了
IRBM/ICBM    不明 不明 不明 不明 不明

Note: 射程距離は全て概算
* ランチャー一基に数機のミサイルが利用可能と思われる。
** 輸出用のCSS-2は通常弾頭装備


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