2009年11月5日木曜日

SpaceX Picks Launch Date for New Rocket. SpaceX社新型ロケットの初打上げ決まる!?

※ケープカナベラルの専用発射台に設置されたFalcon9。SpaceX社サイトより転載

先日は、アレスI-Xの打上げ実験が成功裡に行われましたが、今
度は、ISS(国際宇宙ステーション)への補給を担うCOTS(商業軌道輸
送サービス)の第一号となる、SpaceX社のFalcon9ロケットの初打上
げ日時が決定した様です。(但し、実際の打上げの為には、調整が
必要です。) SpaceX社は、今まで、マーリンエンジン1基を搭載
したFalcon1でこそ衛星打上に成功した事はありますが、今回は、
同エンジンを9基束ねたクラスター構成でH-IIAに匹敵する打上げ
能力を実現しています。

先日のエントリーでも書きましたが、COTSを実現するに当たって、
NASAに選定されたSpaceX社とオービタル・サイエンス社(OBS社)は、
全く異なる開発アプローチを取っています。
SpaceX社が自社開発に拘った開発を行っているのに対し、OBS社は、
既存製品の組み合わせを主体とし、新規開発を最低限度に抑えてい
ます。勿論、SpaceX社も闇雲に開発している訳ではなく、勝算があ
っての開発ではありますが、それにしても、まだまだ、技術的に枯
れていないエンジンを9基もクラスター構成にする事は、技術的に
は冒険と見られても仕方がないと思われます。

それだけに、今回の一号機打上げは、COTSの成否にも係わる重要性
を持っていると言えます。

SpaceX社が、新ロケットの初発射日を決定

米空軍の第45宇宙団の最新の発射スケジュールによれば、SpaceX社は、2010年
2月2日に同社の新しいFalcon9ロケットの初発射を希望しているのが判った。

SpaceX社は、Falcon9のフライトハードウェアをケープカナヴェラル空軍基地
に11月には輸送し、それから、1~3ヵ月後に打上げを予定していると10月に発
表していた。

Falcon9のデビュー打上げは、当初、2007年中に予定されていたが、より小型
の姉妹ロケットであるFalcon1同様、SpaceX社の見込みより開発が長期化した。

しかし、新しい発射目標日には、問題があるのが判っている。SpaceX社の希望
する東部標準時午前11時の打上げは、既に承認済みとなっているNASAの太陽動
態観測衛星を打ち上げるユナイテッド・ランチ・アライアンス社のアトラス5
の打上げ期間と重なっている。

SpaceX社の10月21日の発表では、最初のFalcon9打上げでは、NASAの資金提供
で開発されている再使用可能貨物輸送機のプロトタイプを搭載したデモンスト
レーション飛行となる。また、このミッションでDragonカプセル実証機の空気
力学的な性能データを取得する予定となっている。

SpaceX社によれば、このフライトは、COTS(商業軌道輸送サービス)契約で合意
されている三回のDragon飛行デモにはカウントしない事になっている。この
2006年の協定では、貨物を国際宇宙ステーションに届けるDragon宇宙機の能力
を示す三回のデモ飛行と引きかえに、NASAはSpaceX社に2億7800万ドルを支払
う事を約束している。

当初は、最初のデモ飛行は2008年9月に行われる事になっており、それに続い
て、二回目が2009年6月、三回目が2009年9月に打上げられる事になっていた。
2008年2月に、SpaceX社とNASAはCOTS契約を改定し、最初のDragonデモ飛行を
2009年6月に変更した。

更に、2008年12月には、そのCOTSインセンティブに加えて、SpaceX社は2011~
2016年に宇宙ステーションに約20トンの貨物を輸送する16億ドルの契約をNASA
から受け取った。

SpaceX社が最初のFalcon9をうまく離陸出来る様に取り組んでいる、同社は、
Dragonカプセルを有人輸送用に信頼性を向上する為の改修計画に対し、資金援
助を行う様に、議会とNASAに要請し続けている。

SpaceX社のCEOであるエロン・ムスクは、NASAが、必要な改修を、行うための
資金提供を開始してから3年で、非常脱出システムの開発を含めてドラゴン宇
宙機を有人化できると語っている。

(Space.com 2009/11/02)


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